火星で捕獲されたクリーチャーが凶暴化、ISSクルーが壮絶死! NASA宇宙生物学者・藤島皓介が映画『ライフ』を緊急検証!(対談:岸明日香)

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■NASAが地球外生命体を発見したら…?

火星で捕獲されたクリーチャーが凶暴化、ISSクルーが壮絶死! NASA宇宙生物学者・藤島皓介が映画『ライフ』を緊急検証!(対談:岸明日香)の画像8藤島皓介氏(撮影・花房遼)

 もし、映画のカルビンとはいわないですが、地球外生命体を発見したらNASAは発表するんですか?

藤島 わからないですね。

 えー。発表しないこともあるんですかね?

藤島 発表しないということはないと思いますよ。間違いなく発表はすると思うんですけど、これまでのNASAの記者会見のやり方を見ても、ある程度事前に調べ尽くして論文を用意してから発表するというのが筋なので。

 うーん。いつ言ってくれるんだろう。

藤島 例えば、僕が関わっている研究に土星の衛星・エンケラドスがあります。表面が氷に覆われていて、中に熱水をたたえる海があります。そこに生命がいる可能性があり、将来、探査機を送りたいと考えています。エンケラドスの南極から海水の成分が宇宙に噴き出ていて、つい最近も水素が含まれている発表がありました。そのときも、データをしっかり研究者が調べた上で発表している。

 それでは、発見してから発表まで時間がかかりますよね。1年とか2年とか……。

藤島 ありますね。それが地球外生命体ということになったら、相当慎重に発表すると思います。

 地球外生命体は地球に降ろしてはいけないという決まりはあるんですか。

藤島 それこそエンケラドスからサンプルを取ってくる場合を考えますね。惑星保護の概念でいくと、持って行って汚すのは、フォワード型の汚染なんですね。逆は地球に持ってくる、つまりバック型の汚染、これにはすごく注意すべきです。JAXAではやぶさのサンプルリターンに関わっていた方ともお話したこともあるんですが、たとえば、地球に持って帰ってきたサンプルをコンテナを開けない状態で分析できるのが理想です。

火星で捕獲されたクリーチャーが凶暴化、ISSクルーが壮絶死! NASA宇宙生物学者・藤島皓介が映画『ライフ』を緊急検証!(対談:岸明日香)の画像9映画『ライフ』7月8日(土)公開

 すごく気を使ってるんですね。たしかに宇宙由来の新しい病気とか怖いし。

藤島 一番いいのは、その場分析でしょうね。僕ら研究者が知りたいのは、なにでできているのか。なにをエネルギーにしているのかです。カルビンは有機物を食べて酸素で燃やしていましたが、今のところ宇宙生物学者が地球外生命体として予想するのも、有機物・炭素ベースの生物じゃないかなと考えています。なにをエネルギーにするのかは、いろんなパターンがあって、例えば僕らのように呼吸する生物は炭水化物を栄養にしてますが、植物は光エネルギーを使って二酸化炭素から炭素をとっている。

火星で捕獲されたクリーチャーが凶暴化、ISSクルーが壮絶死! NASA宇宙生物学者・藤島皓介が映画『ライフ』を緊急検証!(対談:岸明日香)の画像10岸明日香(撮影・花房遼)

 それなら、カルビンみたいに空気から栄養を取る生き物もいるんですか?

藤島 いい質問ですね。僕たちが吸っている空気の成分は70%ぐらい窒素なんですけど、一部の微生物は窒素ガスを取り込んで無機物にして、最終的にタンパク質の元になるアミノ酸にしています。独立栄養というんですけど。例えば深海の甲殻類は体に独立栄養細菌を飼っています。なぜかというとその細菌が無機物を有機物にして、その有機物になったものを栄養としてエビやカニが食べて生きているんです。捕食する側は従属栄養生物といいます。生物のヒエラルキーを書くとき、ピラミッドの頂点である捕食者に目が行きがちですが、生命を支えるという観点から見ると、実は底辺の独立栄養生物が一番偉いんですよね。彼らなしでは、地球上にそれほど大量の有機物が出回りませんからね。

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