死人の脳が「眠っている人の脳」と同じ活動をしていることが判明! 死はノンレム睡眠状態だった!

死人の脳が「眠っている人の脳」と同じ活動をしていることが判明! 死はノンレム睡眠状態だった!の画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

 人の死の判定は医師の最も重大な任務である。呼吸、脈拍、瞳孔の状態から生死を判断するのだが、ここにもし脳波を加えると少し厄介なことになるかもしれない。なんと死後もしばらく脳活動が続いているケースが確認されたのだ。


■死後の患者の脳にデルタ波の発生がしばらく続いていた

「死んだように眠っている」という表現があるが、多少揺さぶったところでまったく起きそうにないほどぐっすり眠っていることをノンレム睡眠という。急速な眼球運動を伴わないこのノンレム睡眠時には脳にデルタ波が多く発生しているといわれている。そして「死んだように」ではなく、本当に死亡した後でも脳にこのデルタ波が発生していたケースが先ごろ確認されて話題を呼んでいるようだ。

 カナダ・ウェスタンオンタリオ大学の研究チームが先日発表したレポートによれば、医学的な死を迎えた後でも脳活動が続いていたケースが報告されている。

 研究チームは集中治療室のある病院で4人の患者の死を看取る際に各種の精密な機器を用いてモニタリングを行っている。心肺機能や血液中の酸素飽和度をモニターすることに加えて、EEG(electroencephalogram)と呼ばれる脳波測定器を用いて患者の脳活動の動きも追った。

 4人の患者は残念ながらすべて亡くなってしまったのだが、医学的な死亡の後、1人の患者の脳にデルタ波の発生がしばらく続いていたことを示す記録が残されたという。ということは死んだわけではなく、実は「死んだように」眠っていただけなのかもしれない!?

■臓器提供の際の脳死判定に影響を及ぼす可能性

 しかしながらほかの3人については、脳の電気的活動は心肺停止の前に消失していたという。なぜこの1人の患者の脳活動だけが死後も続いていたのかはまったくわかっておらず、今後の研究が必要とされている。死後の脳活動について、今のところすべては謎のままということだ。そしてこのケースからあまり多くのことを類推しないでほしいと研究者たちは忠告している。

 計測機器の誤作動を指摘する声もあるのだが、現場にいた研究者たちはすべての機器は正常に動いていたと主張しているようだ。

 研究者たちの間では、脳活動の大部分が死後から約1分間だけミステリアスな高まりを見せた後に停止するという考えが支配的であるという。しかしながら、これはマウスの脳を研究することでわかってきたもので、人間にもこれに相当する現象が起きるのかどうかはわかっていない。そして今回の研究でも、心肺停止後1分間に脳活動が高まったというデータは得られなかったことが指摘されている。

 死の直後の肉体と精神についてはまだまだ謎だらけということになるが、例えば昨年に発表されたある2つの研究では、人間の死後も遺伝子は機能していることが報告されている。死後数日間、場合によっては生前よりも活発に働いているというから驚きだ。

死人の脳が「眠っている人の脳」と同じ活動をしていることが判明! 死はノンレム睡眠状態だった!の画像3 画像は「Wikipedia」より

 ともあれ、今回の研究は臓器提供の際の脳死判定にも影響を及ぼす可能性をはらむものになるだろう。今後の研究の進展に期待したい。

参考:「Independent」、ほか

文=仲田しんじ

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