アイドルストーカー事件が多発する背景に、日本社会が抱える構造的欠陥? 恋愛感情だけではない犯行理由に驚愕

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アイドルストーカー事件が多発する背景に、日本社会が抱える構造的欠陥? 恋愛感情だけではない犯行理由に驚愕の画像1画像は、Thinsktockより


 6月28日、アイドルグループ「仮面女子」の神谷えりなのブログに「ぶっ殺す」など殺害予告を書き込んだファンの男が逮捕されたと各メディアが報じた。ブログのコメント欄には「卒業したらぶっ殺す。君は生きている資格がないので死んでもらう」と書き込まれており、男は東京簡裁から罰金20万円の略式命令を受けて納付した。

 アイドルに対しての薄気味悪い事件が増えている。6月24日には千葉・幕張メッセで行われていた「欅坂46」の握手会でファンの男が持参した発炎筒に点火。けが人は出なかったが、男は果物ナイフを所持していたため、銃刀法違反の疑いで逮捕された。男は容疑を認め、特定のメンバーの名前をあげ、「刺して殺そうと思った」と供述している。

 握手会といえば、2014年5月25日に起きたAKB48握手会傷害事件が思い起こされる。入山杏奈と当時メンバーだった川栄李奈が、のこぎりを持った男に握手レーンで襲われた。ふたりは手の骨折や裂傷を負い、止めに入り切りつけられた男性スタッフを含む3人が病院へ搬送され緊急手術を受けた。全員、事件翌日に退院したが、この事件は大きな反響を呼んだ。

 同じAKBグループでは最近でもストーカー事件が起きている。6月25日、「HKT48」のメンバー宅付近を車でうろついたとしてファンの男が逮捕された。メンバーの自宅アパート付近を自分の乗用車で4回も低速運転するなどのストーカー行為をしたという。メンバーは最寄り駅で男を何度か見かけたことがあるようで「なんでこんなに会うのかなと思っていた」と話していたそうだ。

 アイドルストーカー事件として有名なのは小金井ストーカー殺人未遂事件である。2016年5月21日、シンガーソングライターとして活動していた冨田真由さんが東京都小金井市のイベント会場近くで、ファンの男に20回以上刺されて意識不明の重体となった。男はそれまでもブログやツイッターに執拗な書き込みをしており、冨田さんは警察にも相談していたがこの悲劇を未然に防ぐことができず、警察の対応が問題視されるなど大きな話題に発展した。

 これ以外にも似たような事件は多数報告されている。しかし、なぜファンであるはずの人間がこのような事件を起こしてしまうのだろうか。

 犯人像を追いかけると、ふたつのパターンに分かれるようだ。HKTの事件と小金井の事件は犯人が一方的に恋愛感情を募らせていた。特に小金井の事件では犯人がSNS以外にもライブ会場に来場し、「結婚してください」「じゃあ、友達になってください」と直接冨田さんに言い寄っていることもわかっている。

 もうひとつは世の中への恨みを発散させるために引き起こしたもの。AKB握手会事件の犯人は勤務していた警備会社を解雇され、再就職も失敗している。裁判の被告人質問では「襲う対象は他の人でもよかったのではないか」との問いに、「女の人で弱いと思った」と回答。さらに「AKBを見て、どう思ったか」と問われると「収入あるな」と思った」と答えるなど、ファンなどではなく自身の不満を解消するためだけに、彼女らを狙い凶行に及んだかのような答えを繰り返していた。

 どちらも「余裕のなさ」を感じさせる。社会的立場と恋愛感情。どの犯人も周囲と自分との関係性が破たんしている。この問題は日本社会が抱える構造的欠陥の表れなのではないだろうか。

文=加藤宏和

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