コールドスリープ(人工冬眠)実現へ!世界初、米大学が“解凍実験”に成功、 技術的ブレークスルー到来! 【人体冷凍保存】

コールドスリープ(人工冬眠)実現へ!世界初、米大学が解凍実験に成功、 技術的ブレークスルー到来! 【人体冷凍保存】の画像1画像は「Thinkstock」より引用

 世界中で数百人が未来の蘇生を信じ、冷凍保存されている中、遂に彼らを無事蘇生できるかもしれない技術的ブレークスルーがあったとのニュースが入ってきた。

■米大学が解凍実験に成功

コールドスリープ(人工冬眠)実現へ!世界初、米大学が解凍実験に成功、 技術的ブレークスルー到来! 【人体冷凍保存】の画像2ゼブラフィッシュの胚「Daily Mail」より引用

 英紙「Express」、「Daily Mail」(8月2日付)などによると、今回蘇生実験に成功したのは、米・ミネソタ大学を中心とした研究チーム。ゼブラフィッシュと呼ばれる淡水魚の胚を使い、ここ60年未解決だった解凍の問題を解決したというのだ。

 今回の研究を見ていく前に、まずは“冷凍”の問題を先におさらいしておこう。ほとんどの読者が、スーパーで売られている鶏肉や牛肉のパックの中に赤い液体が溜まっているのを見たことがあるだろう。その色から、肉から滲み出した血液と誤認されることがしばしばあるが、これは「ドリップ」と呼ばれる細胞内の成分であり、冷凍肉をゆるやかに冷凍した際に、氷結晶の体積が増加し、細胞組織を損傷させることで溢れてきたものだ。

 人体冷凍保存(クライオニクス)においては、不凍結剤を用いて、これを阻止する手段が講じられてきたが、解凍においてさらなる問題が生じた。胚は様々な部分に分かれており、特に比較的大きな卵黄部分が邪魔をすることで、胚を均一に温めることができず、解凍がうまくいかないというのだ。

コールドスリープ(人工冬眠)実現へ!世界初、米大学が解凍実験に成功、 技術的ブレークスルー到来! 【人体冷凍保存】の画像3画像は「Express」より引用

 研究チームが今月13日、科学ジャーナル「ACS Nano」に掲載した論文によると、その問題を解決したのが「金ナノロッド」と呼ばれる極小の金属物質である。不凍結剤に混ぜられた金ナノロッドが、解凍レーザーの熱を伝えることで、冷凍された胚を素早く温めることが可能になったという。その結果、全体の10%の胚が解凍後に蘇り、順調に成長したそうだ。

■コールドスリープなどへの応用

コールドスリープ(人工冬眠)実現へ!世界初、米大学が解凍実験に成功、 技術的ブレークスルー到来! 【人体冷凍保存】の画像4画像は「Express」より引用

 未だ人間に応用する段階ではないが、今後の研究次第では、昨年10月、自らの意志で冷凍保存を希望した、がんで亡くなったイギリスの14歳の少女、トカナでもご紹介した、米「アルコー延命財団」で冷凍保存されている、小児脳腫瘍で亡くなったタイのマセリン・ナオパラトポンちゃんらが、第2の人生を歩む日もきっと来ることだろう。

 また他にも、宇宙船内におけるコールドスリープに応用されれば、持ち運ぶ食料や飲料水が大幅に節減され、船員のストレス上昇も抑えられるため、数年単位の長距離移動もできるようになるかもしれない。研究を率いたメアリー・ハージュドーン氏らによると、絶滅の危機にある動物の保存にも役立つとのことだ。

 夢の冷凍保存・解凍技術がいよいよ現実のものになりつつある。今後の研究に大いに期待しよう。
(編集部)


参考:「ACS Nano」、「New Scientist」、「Express」、ほか

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