ブードゥ、黒人奴隷、変死体、ゾンビ…! 今も米国でカルト的人気を博す、幻の吸血鬼映画『BLACULA』とは?

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ブードゥ、黒人奴隷、変死体、ゾンビ…! 今も米国でカルト的人気を博す、幻の吸血鬼映画『BLACULA』とは?の画像1※イメージ画像:『BLACULA』

黒いドラキュラ「吸血鬼ブラキュラ」シリーズ
『吸血鬼ブラキュラ』1972年・米(日本公開1973年、ワーナー・ブラザース配給)
『吸血鬼ブラキュラの復活』1973年・米(日本未公開)

 吸血鬼映画はサイレント時代の『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922年)に始まり、ベラ・ルゴシ主演の『魔人ドラキュラ』(31年/ユニバーサル)、クリストファー・リー主演の『吸血鬼ドラキュラ』(58年/ハマー・フィルム・プロダクション)を2本の主流に、現在まで数えきれないバリエーションの作品が制作された。だが、黒人公民権運動が盛んな70年代に流行した黒人映画(ブラック・スプロイテーション映画)の一環で制作された『吸血鬼ブラキュラ』シリーズ2作品は、日本ではソフト化に恵まれず幻の吸血鬼映画となっている。

 BLACKなDRACULAで『BLACULA』? 上手い! これは日本の配給会社が得意とするダジャレ邦題ではなく、というれっきとした原題だ。黒人吸血鬼の映画は、今でこそウェス・クレイヴン監督(『エルム街の悪夢』)、エディ・マーフィ主演の『ヴァンパイア・イン・ブルックリン』(95年)や、ウェズリー・スナイプス主演の『ブレイド』(98年)などがあり珍しくはないが、当時としては画期的だった。

 まずは第1作『吸血鬼ブラキュラ』(ウィリアム・クレイン監督)からストーリーを紹介しよう。これは米国公開の翌1973年に日本公開されている。

■あらすじ

 18世紀のアフリカのどこかの国の王子様・マムワルデ(ウィリアム・マーシャル)は、妻のルーヴァ(ヴォネッタ・マギー)と共に、奴隷貿易廃止を請願するためルーマニアのトランシルヴァニアへ行く。だがマムワルデはその道中で人種差別者ドラキュラ伯爵の怒りを買い、血を吸われ「お前はブラキュラとなる」と宣告され棺の中で眠らされる。

 1970年代になり、その棺がドラキュラ城からアメリカにアンティークとして運び込まれる。ロスで甦ったブラキュラは人間の生き血を吸い、次々と手下を増やしていく。警察の検死医ゴードンは、首筋にふたつの穴が開き一滴も血がない変死体に不審を抱く。

 ゴードンの婚約者ミシェルの姉ティナ(V・マギーの二役)は、ブラキュラの死別した妻ルーヴァに瓜二つだった。ある晩、ゴードンと姉妹がクラブでミシェルの誕生日会をしていると、そこへ本名のマムワルデを名乗るブラキュラが登場。やがてブラキュラは、自分が吸血鬼になった経緯をティナに告白し、「君も吸血鬼になって一緒に暮らしてくれ」と頼む。一度は断るティナだが、何だかブラキュラが気の毒に思えてきて承諾してしまう(ええ!?)。

 終盤、ブラキュラからティナを取り戻そうとするゴードンたちは、ゾンビのようにゾロゾロと現れるアフロ・ヴァンパイア軍団をランプで丸焼きにする。その頃、ブラキュラを発見した警官の誤射でティナが被弾。ブラキュラはティナを吸血鬼にして死ぬのを防ごうと、彼女のノド元をカプッ。ブラキュラはティナの血をまだ吸っていなかったのだ。やがてブラキュラの棺を発見したゴードンたちは蓋を開けるや否や、よく確かめもせず死体の胸に杭を突き刺す。「ギャア~!」と悲鳴。それはブラキュラではなくティナだった……。

 残念ながら作品はソフト化されていないが、翌1973年にテレビムービーとして作られた続編『吸血鬼ブラキュラの復活』(日本未公開)は、日本ではベストロン・ビデオからVHSテープが発売された(続編だけ出されてもなぁ~)。監督はドラマ『刑事スタスキー&ハッチ』(75~79年)のボブ・ケルジャン。主演はウィリアム・マーシャルの続投で、特筆すべきは今回のヒロインがパム・グリア!

 パム・グリアは、『残酷女刑務所』(71年)や『残虐全裸女収容所』(72年)などの女囚物で泥まみれのキャットファイト、『半獣要塞ドクターゴードン』(73年)では女豹というか黒豹というか、豹の改造人間を熱演。そして1973年の『コフィー』でスターダムに躍り出た1970年代ブラックスプロイテーション映画の象徴だ。彼女の勇姿を少年期に見てファンになった映画監督は多く、ティム・バートンは『マーズ・アタック!』(96年)、クエンティン・タランティーノは『ジャッキー・ブラウン』(97年)、ジョン・カーペンターは『ゴースト・オブ・マーズ』(01年)に起用。テレビでは人気レズビアンドラマ『Lの世界』(04~08年)のレギュラーでおなじみだ。

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