奇習! 出会ったばかりの見知らぬ男女が交わる習慣 ― ダムの底へと沈んだ“ゆきずりSEX村”の記憶

【日本奇習紀行シリーズ】 近畿地方

奇習! 出会ったばかりの見知らぬ男女が交わる習慣 ― ダムの底へと沈んだゆきずりSEX村の記憶の画像1画像は「Thinkstock」より引用

 街角でたまたますれ違っただけの異性に、思わず目を奪われる。電車で隣あって立っただけなのに、なぜか心惹かれる――そんな、まったくの赤の他人への“胸キュン”体験をしたことのある人は少なくないかもしれないが、そうしたケースの大半は、そこから何も発展することなく、その当事者でさえも、いつしか忘れてしまうものだ。しかし、かつてこの国には、そうした“見知らぬ男女”だけが性的な関係を持つ、すなわち、行きずりの関係になることだけを目的とした、実に奇妙な習慣が存在していた地域もあるという。


「会うでしょ、裸になるでしょ、そのままイタするでしょ。それでまた服を着て、さようなら。ホントにこれだけ。これだけの関係をね、持たせる習慣っていうのかな。そういうのがあったんだよ」


 その若き日に、たまたま旅先で体験したという、その“ゆきずりセックス”の習慣についてそう証言するのは、関東地方在住の元旋盤工・横溝経一さん(仮名・76)。横溝さんの話によると、今を遡ること約60年前の昭和30年代初頭、盆休みを利用して出かけた近畿地方のとある地域で、その驚くべき習慣を目の当たりにすることとなったという。


「いや、たまたま泊まった民宿でね、そういう噂を小耳に挟んで。民宿の人が“お兄さんもそれが目的でわざわざ来たんでしょ? 好きだねー”みたいな話をするもんだから、なんだかよくわからないけれども、適当に話を合わせてね。それで詳しく聞いてみたら、昔からあのあたりじゃ、集落のはずれにある辻で、真夜中になると男と女がどこからともなく集まってきて、その場で行きずりの関係を持つっていうんだ。私も当時はまだ若くて血気盛んだったもんだからね、途端に鼻息が荒くなっちゃって、すぐに直行したよ(苦笑)」

 宿の従業員から聞いたという話を頼りに、真夜中にその場所を訪ねたという横溝さん。いざその場に着いてみると、そこには俄かに信じられないような、思わず目を疑う光景が広がっていたという。


「いやね、遠くから近づいていくうちに、何人も人がいるってのはわかったんだけれども、そばに行って暗がりの中で目を凝らしてみたら、たくさんの男と女がスッポンポンでイタしてるわけ。そりゃあ私もたまげましたよ。それで、思わず呆気にとられてるとね、そうだなあ、三十路にかかるくらいの年頃だったかなあ、妙に艶っぽい人妻風の女が声をかけてきてね。そこからはもう、“どこから来たの?”“初めて?”なんていう会話を進めながら、自分も相手もスッポンポンになってさ。あっという間に小一時間過ぎてたよ(笑)」


 その後、別の女性2人とも代わる代わる“闇夜のセックス”を堪能した横溝さんが、文字通り、精根尽きて宿に戻った頃には、とうにもう夜も白みかけていたという。


「その後、何年か経って、自分も所帯を持ったんだけれども、やっぱりあの夜のことが忘れられなくてね(笑)。女房に内緒でもう一度、そこいらへ出かけてみたんだけれども、ダムの底へ沈んでしまったみたいで、跡形もなくなってしまっていて。そういう状況なもんだから、私も今思い返してみると、自分が本当にあんな体験をしたのか? それこそキツネにでも抓まれてたんじゃないか? って思ったりするよ(苦笑)」


 それが実体験なのか、はたまた横溝さんの記憶違いなのかは定かではないが、かつて同様の体験をしたことがあるという人々は、意外にも多く存在している。もしかすると、当時はこうした不思議な習慣が行われていた地域が、思いのほか多く、日本各地に点在していたのかもしれない。

文=戸叶和男

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