脳は大人になってもまだ成長している! 高齢でも新たな細胞が「芽生えている」ことが判明、科学界衝撃=米カリフォルニア大

脳は大人になってもまだ成長している! 高齢でも新たな細胞が「芽生えている」ことが判明、科学界衝撃=米カリフォルニア大の画像3Science Alert」の記事より

■一方で高齢者は新たな脳内血管があまり作られない

 研究チームは高齢者の脳の新たな神経細胞の生産を確認したばかりでなく、脳内のいくつかの領域の血管の状態も調べている。分析によれば、その領域で脳神経系が良い状態に保たれている限りにおいては、海馬の大きさは生涯を通じて変わらず、新たな細胞も作られ続けるということだ。

「我々は、高齢者であっても若年者のように前駆細胞から海馬の新しい神経細胞を何千も作る能力が同じようにあることを発見しました」と、研究を主導したマウラ・ボルドリーニ博士は語る。

脳は大人になってもまだ成長している! 高齢でも新たな細胞が「芽生えている」ことが判明、科学界衝撃=米カリフォルニア大の画像4画像は「Wikipedia」より

 しかしながら脳の状態が若年層と高齢者でまったく同じということはなく、高齢者は新たな血管があまり作られず、新しい神経細胞の接続能力が低い可能性が考えられるということだ。つまり高齢になっても新たな脳神経細胞は作られるものの、神経同士の接続があまり円滑でなくなってくるのかもしれないということである。加齢による認知機能の低下は、神経細胞が生産されなくなるからではなく、神経の接続能力が徐々に弱まることでもたらされるのではないかと説明している。

 しかしながらどうしてカリフォルニア大学の研究と今回のコロンビア大学の研究が“真逆”といえるものになっているのか? それはコロンビア大学の研究では細胞だけでなく脳内の血管の状態も考慮に入れたからであることが指摘されているようだ。

 ともあれ人間の脳は複雑な器官であることはよく知られているので、真実が何であれ今後もさらに深く掘り下げた分析を行い、矛盾する研究の歴史をしらみつぶしに説明しなければならないことになる。はたしてどちらの研究が真実に近いのか、今後の動向に目が離せない研究分野であることは間違いない。
(文=仲田しんじ)


参考:「Science Alert」、ほか

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