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春に自殺が増える理由に「花粉」がガチ浮上！花粉症は精神にも不調をきたしていた

2018.04.12 10:00

花粉症

■花粉と自殺の関係

　そんな中、自殺の原因の一つとして浮かび上がってきたのが花粉である。実は東京での自殺件数と空気中の花粉量の関係について調査した論文が存在する。2017年に学術誌「Environmental Research」に掲載された論文によれば、2001〜2011年の東京での調査の結果、花粉症シーズンに起きた女性の自殺率と空中の花粉量には関連が見られたという。

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画像は「Environmental Research」より引用

　なぜ花粉が自殺を引き起こすのだろうか？　注目されているのは花粉が引き起こす炎症だ。今月10日付のウェブメディア「Big think」によれば、最近の研究で炎症とうつ病の関係が指摘されているそうだ。うつ病の患者では炎症性サイトカインやC反応性タンパク（CRP）などの体内の炎症を示す血中のマーカーが増加していることが知られており、体内の慢性的な炎症を軽減すると抑うつ症状の予防にもつながるという。花粉によって引き起こされる炎症は、くしゃみや鼻水だけでなく、自殺のきっかけにもなりうる精神的な不調をも引き起こしている可能性があるというのだ。

　自殺と花粉の関係を示唆する研究結果はデンマークでも出ているそうだ。しかし、本当に花粉が自殺の原因となりうるのか、その調査はまだ始まったばかりである。

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画像は「Thinkstock」より引用

　なお、花粉症は日本にしかないと誤解されている方も多いようだが、実際のところ春先に飛散する花粉は世界の人々にアレルギーを引き起こしている。花粉症の原因となりうる植物はスギやヒノキだけでなく、シラカバやブタクサ、イネ科など多岐にわたる。春先にスギやヒノキの少ない地域に出かけると花粉症が治るので勘違いしがちだが、その土地でもスギやヒノキ以外の植物が花粉を飛ばしており、その地に暮らす人々にアレルギー症状を引き起こしているのだ。

　花粉による炎症が精神的な不調を招き、自殺の原因となりうるというのは驚きだ。とはいえ、花粉症がひどいときには鼻づまりで寝不足にもなりがちだし、だらだらと垂れてくる鼻水や目のかゆみは非常にストレスだ。花粉症が肉体だけでなく、精神的にもじわじわダメージを与えてくる厄介な疾患なのは間違いない。花粉症を撲滅する方法が見つかれば春の自殺者が減るかもしれないという考えは、あながち間違ってもいないような気がする。

参考：「Big think」「Environmental Research」「自殺死亡統計の概況」「The Atlantic」ほか

TOCANA編集部

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