ラッカでの「イスラム国」による公開処刑を世界に報じる“市民ジャーナリスト集団”を描いた緊迫のドキュメンタリー映画
「イスラム国」の公開処刑を世界に報じる“市民ジャーナリスト集団”を描いたドキュメンタリー映画!『ラッカは静かに虐殺されている』がヤバい!
再び、緊迫するシリア情勢。アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、もちろん中東諸国をも巻き込んで混迷を深めるばかりのシリア。そこは、シリアは、2010年末にアラブの春という革命の嵐が吹き荒れるまで、中東のなかでも長い歴史を誇る世界遺産が多い観光地であった。しかし、アラブの春の際、自由を求めた市民をアサド政権が武力で制圧したことから、激しい内戦へと突入する。
4月14日公開、シリア内戦の真実を追うドキュメンタリー『ラッカは静かに虐殺されている』は、シリア内戦勃発の背景、そこからテロリスト国家が登場して、ネット世界とリンクするように世界中に拡大していく現代の戦争の実態を描いている。

世界中がネットで繋がった現代、一国の内戦は世界を巻き込み、同時に世界中の歪みがその国を戦場とした殺戮の舞台となる。
2010年末、アラブの春という自由革命の風潮が中東諸国に広まったとき、欧米諸国をはじめ先進国に住む多くの市民はその革命を支持した。そのことから、シリアの都市ラッカは、その市民が反体制派を形成し、アサド政府軍を排除することに成功している。
だが、2014年6月、「イスラム国(IS)」が勢力を拡大してラッカを制圧し、その首都とした。アサド政権を追い出して自由を獲得したはずのラッカ市民は、今度はISによる過激思想と武力によって支配されることとなった。

残酷な公開処刑が繰り返され、死の恐怖と隣り合わせな生活を強いられる市民たち、ISによる情報統制によって、シリアの現実は、世界には全く知られなくなった。そんな状況を打破するため、ラッカを拠点にソーシャルメディアを駆使した市民ジャーナリスト集団が登場する。それが、本編の邦題となっている「ラッカは静かに虐殺されている」こと、「RBSS(Raqqa is being slaughtered silently)」という集団である。
シリアのおかれた複雑な国際情勢と内戦の惨状を描くには、RBSSのメンバー個人に焦点を当てることで、より身近な問題として迫りたかったとマシュー・ハイネマン監督は語っている。

また、彼はメキシコの麻薬戦争を描いた前作のドキュメンタリー『カルテル・ランド』でも、ネットで殺人映像が簡単に観れてしまう時代のギリギリの映像表現にチャレンジしてきた。本作でも監督は「暴力から目を逸らしたくなかった」と語る一方で、「見る人たちが映画館から逃げ出さない」バランスを探ったという。実際、ラッカでは白昼の路上にいくつもの生首が転がり、広場では「イスラム国(IS)」による公開処刑の銃声が響く。前半に登場するラッカでの残酷映像は目を覆うばかりである。

ISによる残酷行為は、彼らのプロパガンダ映像でも見せられてきたものであるが、この映画が見せてくれるのは、さらにその背後にある、とてつもなく野蛮で荒々しい日常である。そして、そのカメラを回しているのはラッカ市民で、その人もいつ捕らえられ、カメラに映る斬首死体のような姿にされてしまうかわからない。そんな緊迫した状況にひたすら戦慄する。
ISによる武力支配は激しさを増し、RBSSのメンバーたちにも危険が迫る。仲間が捕らえられ殺されたのをきっかけにスポークスマンを務めるアジズはドイツのベルリンに逃げ、他のメンバーも隣国トルコに逃亡する。そして、後半はラッカにいる匿名の支援者から情報や画像を受け取り、シリア国外に潜伏するメンバーたちがSNSから配信する形でネット上での情報戦争が続いていく。
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