【実話怪談】「いやあぁっ!」毎晩丑三つ時に現れる猫の正体と生霊の執念! 本村さんの恐怖体験

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作家・川奈まり子の連載「情ノ奇譚」――恨み、妬み、嫉妬、性愛、恋慕…これまで取材した“実話怪談”の中から霊界と現世の間で渦巻く情念にまつわるエピソードを紹介する。

catg_03.jpg画像は「Thinkstock」より引用

【六】私の猫

 当時、本村晶子さんは猫を飼いたいと思っていた。

 晶子さんはその頃、派遣社員で独身38歳。これまでずっと母と二人きりでつましく暮らしてきた。20代で就いた最初の職場で男性の同僚に交際を申し込まれて断ったら、その後10年以上もつきまとわれ、幾つも職場を変えるはめになって、非常に苦労した。

 しかしこの3年余り、ストーカーが止んでいた。そこで、近頃ようやく経済的にも精神的にもほんの少し余裕が出てきた次第だ。

 折良く、ちょうどその頃、住んでいた神奈川県のアパートはペットを飼うことが許されていた。

 前々から、晶子さんは、飼うなら猫と決めていた。

 根っからの猫好きなのである。「私も本当に猫を飼える」、そう思ったら猫が欲しい気持ちが日増しに高じた。

 職場の親しい同僚に、「最近、猫の話ばっかりしてるね」と指摘されてしまうほど、心の中が猫一色になり、自分でもどうかと思うぐらいになった。

 8月の半ばで暑い盛りだった。毛皮がモフモフした動物を抱くのに向いている季節ではないにもかかわらず、夜、布団に横になるたびに、猫と一緒に寝られない寂しさに思わず涙ぐんでしまうのだった。

 その夜も、晶子さんは、猫がいない切なさを噛みしめながら床に就いた。

 しばらくして、突然、胸のうえに何かが乗ってきて、眠りの底からスーッと意識が浮上した。

 同時に、ブン……と、蜂の羽音のような電子音が鼓膜を震わせた。これには何の不思議もない。なぜって、これはテレビの予約録画が開始されるときの音で、寝る前に午前2時から放送する番組の録画を予約をしたのだから。

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