【実話怪談】「いやあぁっ!」毎晩丑三つ時に現れる猫の正体と生霊の執念! 本村さんの恐怖体験

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catg_02.jpg画像は「Thinkstock」より引用

 午前2時。丑三つ時だな、と、晶子さんは目を閉じたまま考えた。やろうと思えば目を開くこともできそうな感じがしたが、瞑ったまま、夢とうつつの境目を仰向けに漂っているこの状態がとても心地よかった。

 ただ、胸に何かを乗せているのだが。これは何だ?

 そう重くはない。硬いものでもない。ほんのりと温かい。そして丸みを帯びていて、目を閉じたままそっと触れてみたら、柔らかい被毛を指先に感じた。

 まさか、猫だろうか?

 そんなはずはない。今夜はことのほか熱帯夜で、窓を閉め切ってクーラーをかけながら寝ていたのだから。外から猫が入ってこられる道理がなかった。

 ということは、これは夢なのだな。そう結論づけた途端、晶子さんの思考を読んだかのようなタイミングで、胸に乗った何かが啼いた。

「なぁー」

――あ、やっぱり猫だ。肥ったどら猫に、こういう低いだみ声で啼くヤツがいるではないか。この子は、造形的にはたぶん不細工で、そこがかえって愛嬌があって可愛いらしいタイプの猫に違いない。

 ちょうどそういう猫を飼いたいと思っていたのだ。

 触った感じからすると、この猫は長毛種のようだ。背中と思えるところに両手をあてがってみた。ふんわりとした毛の厚みの奥に、丸っこい骨格をかすかに感じる。猫の姿を想像しているうちに眠りの内に引き込まれ、次に気がついたのは朝だった。

 出社するとさっそく会社の同僚に「猫の夢を見た」と話して、「さっさと飼いなよ」と呆れられた。晶子さんもその気になったが、折悪しく公私とも多忙な時期で、とうぶん趣味的なことは後回しにせざるをえなかった。

 しかも、猫の夢は、その翌日も、そのまた翌日も……ついには10日間も続けて見たのだった。そのため、だんだんと「実はうちにはすでに猫がいたのだ」といった錯覚に陥りはじめた。この錯覚、もしくは妄想が原因で、現実に猫を手に入れる行動は晶子さんの優先順位を転げ落ちていった。

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