宗教的要素が薄すぎ? 天理教のソウルフード「カレー」がヒーローになったアニメ『カレーファイブ』のぬるさ/かに三匹
——フリーライター藤倉善郎(やや日刊カルト新聞総裁)、村田らむ、かに三匹の3人が宗教団体制作のカルトムービーを徹底レビュー!
カルト映画レビュー第2回:かに三匹/『カレーファイブ』

<かに三匹採点>
アニメ完成度★★★
布教的要素度★
カレー要素度★★★★★
今回は、宗教アニメの紹介である。
宗教アニメと言えば、みなさんは、教義をアニメ化したものであったり、あるいは教祖の伝記をアニメ化したものであったり、その教団の教えや成り立ちと密接に結び付いた作品を思い浮かべるのではないだろうか? そう、宗教アニメは、教義に彩られた、ガチガチな作品であるという思い込みがある。しかし実はそんな作品ばかりではない。なかには教義との関係が薄い、ゆるーい雰囲気の宗教アニメもあるのだ。今回紹介する作品を初めて観た時、これが宗教アニメとは信じられなかった。
それが、天理教のアニメ『カレーファイブ』だ。
●天理教が送り出したヒーロー
天理教は1838年に中山みきにより立教された宗教である。江戸末期に誕生した、日本の「三大新宗教」のひとつだ。その広報部門である天理教道友社から発売されたアニメが『カレーファイブ』である。
2013年からリリースが始まり、2017年に完結したDVD全3巻のシリーズ。収録されているのは、「カレーファイブ登場」、「対決!! カレーファイブ対ムダ星人」、「カレーフラッシュが出せねえだ!」、「バラバラファイブ!?」、「巨大ロボットと謎の…」、「なつかしいママの味」の全6話だ。
そもそもカレーファイブとは、宇宙警察から派遣された戦士たちである。メンバーは、おこめレッド、にんじんパープル、おにくイエロー、たまねぎピンク、じゃがグリーンの5人。赤に紫にピンクと色合いが偏っているが、主題歌にもあるように「にじいろ」をカレーファイブは意識しているのだという。
名前の通り、5人は顔がカレーの具材で出来ている。ビジュアル面のインパクトは非常に強い。特に、おにくイエローは顔から骨が出ているデザインで呆気にとられる。また5人の上司であるソルト長官に至っては、感情が高ぶると頭から塩らしきものが出る。顔が食材のヒーローと言えばアンパンマンが思い浮かぶが、おそらくカレーファイブはアンパンマンを意識して作れているのだろう。敵であるムダ星人も、やられた時は空に飛んでいく描写があるなど、バイキンマンの敗北シーンを彷彿させる。
そんなカレー押し全開のヒーローモノにもかかわらず、カレーファイブは宇宙人なため、地球にやって来るまでカレーの存在を知らなかったりする。となると、カレーファイブの“カレー”は食べ物のカレーとは関係ないということか。じゃあ、カレーファイブの“カレー”は、一体何を意味しているのだろうか? それは、作中では不明なままである(めちゃくちゃ気になる)。
カレーファイブが地球にやってきた目的は、敵であるムダ星人と戦うため。地球では、縁あって出会ったカレー(食べ物のほう)を研究するマハラカリー博士と、その助手をつとめる未来、リン、レンの三姉弟とともに、カレー研究所に住んでいる。その“縁”というのが、地球で遭難したカレーファイブのメンバーが、カレーの匂いに釣られてカレー研究所に忍び込み、カレーを盗み食いするという出来事なのが……ヒーローとは思えないダメっぷりではないだろうか。
ちなみに、彼らの必殺技はカレーフラッシュ。5人の武器であるカレースプーン(各メンバーが腰に装着している)を合わせることで、スプーンから光線が発射される。実際にカレースプーンで敵と戦うこともある。また、ルウという6人目のメンバーがいる。足が車輪のロボット犬で、彼の力でカレーファイブはマントをまとい、空を飛ぶことが出来るようになる。うーん、なんだか頼りない。
関連記事
最新記事
- 人気連載
村のお堂に集まった男女が「誰彼構わず朝までSEX」! 年に一度のお楽しみ、最近まで存在した「性宴」の実態!=西日本
【日本奇習紀行シリーズ 西日本】 闇夜にまぎれて意中...
- 人気連載
日本人はナゼ名誉白人なのか、歴史の裏で暗躍した死の商人と全員ゴルゴ13な特殊部隊ベイリーズ騎士団の大活躍
【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服...
コメントする
コメント
なんだ、このアニメは
天理教は一応神道系になるのかな
天理教もPL教団も霊波の光も仏教じゃないです。
新興宗教です
肉食がどうのこうの言ってる人は仏教の分派だと勘違いしてる人。
ヒンズー教もイスラム教もキリスト教も肉を食べます。
色が食材と一致していないのは、どうなんだろうか?
少なくとも、天理教が肉食を否定していないことだけは分かった。