建物全体がバッテリーになる「コンクリート蓄電器」が爆誕! エネルギー問題に画期的解決法!

建物全体がバッテリーになる「コンクリート蓄電器」が爆誕! エネルギー問題に画期的解決法!の画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

 近い将来、我々の住居で使用される電力は壁に蓄えられたバッテリーでまかなうことが可能になるかもしれない。


■建物全体がバッテリーになる新技術

 長期間にわたって電気を貯めておくことのできる「カリウムイオン」を注入した新しいタイプのコンクリートブロックが開発中だ。

 エネルギー生産率が下がった際に、このコンクリートブロックは直ちに蓄えておいた電気を供給できる。少しずつではあるが、原子力発電や石炭火力発電に代わるエネルギー源として注目を集めているという。

 通常、バッテリーは一方の面から他方の面へと荷電粒子を移動させることでエネルギーを化学媒体に保存させるが、研究者らは、これらのいわゆるイオンと呼ばれる荷電粒子がコンクリートなどの結晶構造を通ることで伝導が可能になり、そして蓄電できることを突き止めた。

 化学製品の使用なしで、カリウムを注入したコンクリートをコンデンサー(蓄電器)に仕立て上げることに成功したのである。

建物全体がバッテリーになる「コンクリート蓄電器」が爆誕! エネルギー問題に画期的解決法!の画像2Daily Mail」の記事より

 開発した英ランカスター大学のモハメド・サアフィ教授らの研究チームは、「この技術を用いて我々の持っている建物をバッテリーに変えることができるとしたら、多くのエネルギー問題の解決に役立てられるだろう」と、コメントする。

 大きな懸念として一点、バッテリーと比較してこのコンデンサーが、生産される過剰なエネルギーを十分に保存できないことが挙げられるが、教授は建築資材として(このカリウムイオンが注入された)コンクリートが広く、より大きな建物に使われることになれば、建築の際に使用している複雑で高価な化学添加物を省略でき、かつ電力の低価格化が見込めるとして十分にその欠点を補える効果があると考えている。

 蓄電システムに関しては既に、電気自動車で知られるテスラモーターズのCEOイーロン・マスクもリチウム電池を使用したアイデアを出しているほどで、世界的に成長が見込まれている分野である。

建物全体がバッテリーになる「コンクリート蓄電器」が爆誕! エネルギー問題に画期的解決法!の画像3Daily Mail」の記事より

■夏場に充電して冬場に暖房に利用 

 基本的に太陽光発電が過剰に見込める夏場は電力を節約し、蓄電が見込めない冬場には貯めた電力を放出させるなど、自然再生可能エネルギーを中心に持ってくる考えだが、再生可能な電気の量は現時点でまだ安定せず、蓄電技術の改善が大きな課題となっているようだ。

 最近ではイギリスでも洋上風力発電に力を入れているが、風力発電タービンが設置された後の2年間で国全体のエネルギー供給率のわずか2%以下であることなど、その蓄電量やシステムが本格軌道に乗るにはまだ時間がかかりそうである。

建物全体がバッテリーになる「コンクリート蓄電器」が爆誕! エネルギー問題に画期的解決法!の画像4Daily Mail」の記事より

 ランカスター大学の計算によれば、先述のカリウムイオンを注入したコンクリートをコンデンサーとして建築に利用した場合でも、これまで使用されていた普通のコンクリートと同じく建設に条件や制限がないとしている。

 商業的にアピールするにしてもまだ研究の規模が小さく、今後、より詳細な研究が必要ではあるが、現在10カ年計画でプロジェクトに着手しており、将来的にはこの開発した材料でビルや橋、街灯など、より大きく多様化したマーケットを築いていきたいという。

 ノンケミカルな材料で建てられたビルなどの巨大構造物自体が電池の機能を持ち、しかも低コストであるという夢のような新技術は実現するか? 続報を待ちたい。


参考:「Daily Mail」ほか

文=Maria Rosa.S

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