【最恐怪談】怖さ限界突破「上の部屋(前編)」! 徹底取材に基づく、目黒区での超恐怖体験とは?

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作家・川奈まり子の連載「情ノ奇譚」――恨み、妬み、嫉妬、性愛、恋慕…これまで取材した“実話怪談”の中から霊界と現世の間で渦巻く情念にまつわるエピソードを紹介する。

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画像は「Thinkstock」より引用

【九】上の部屋(前編)

 今、一編の怪談がしきりに思い出されてきて仕方がない。

 それは、1998年に光文社から刊行された阿刀田高編『奇妙にこわい話――寄せられた[体験]』に収録されている「わたしの足音」というお話だ。

 思い起こした原因を述べる前に、まずは「わたしの足音」について軽くご紹介したいと思う。

――その日の仕事を終えた独身女性である「わたし」が、自宅マンションの一階でエレベーターを待っていると、非常階段を下りてくる足音が聞こえてきた。こんな深夜に誰が……と訝しく思う。やがてエレベーターが着き、扉が開いた。すると、こちらに背を向けて中年女性が乗っていた。ごく普通の主婦のような風体だが、エレベーターの壁の方を向いている。

 その後、帰ってきていくらも経たないうちに、どうしても外せない用を思い出す。そこで近所に出掛けるためにエレベーターで降りようとしたが、さっきの女性がまた壁を向いて乗っていたので怖くなり、非常階段で下りることにした。

 夜更けに自分自身の足音が響く。すると、最初にエレベーターを待っているとき聞いた足音を思い出した。あれは「わたし」の足音だったのではないか――

 私にこの話を想起させたのは、ある一つの体験談だ。体験者さんをインタビューし、さらに私のいつものやり方で取材を追加した。

 つまり、それが今回、私が書こうとしている話なのだが、「わたしの足音」と大まかに言って3つの類似点があることを先に述べておく。

 私が取材した体験談の語り手も未婚の女性で、舞台となる場所も自宅マンションであり、そしてマンションの階段から聞こえてきた足音が深く怪異に関わっていた。

 しかし、起きた事象の筋立ては大きく異なる。舞台は東京都目黒区の、飲食店や衣料品店を含む雑居ビルと住宅用マンションが混在する比較的にぎやかな一角だ。

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