【最恐怪談】怖さ限界突破「上の部屋(後編)」! 実際の事件とリンク…目黒区での恐怖体験、衝撃の真相!

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情ノ奇譚

作家・川奈まり子の連載「情ノ奇譚」――恨み、妬み、嫉妬、性愛、恋慕…これまで取材した“実話怪談”の中から霊界と現世の間で渦巻く情念にまつわるエピソードを紹介する。

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画像は「Thinkstock」より引用

【九】上の部屋(後編)

(前編はこちら

 カズヤは引っ越した日に来て泊まっていっただけで、以来、今村さんの部屋を訪れることはなかった。

 今村さんから連絡するつもりはなかったが、あちらも、うんともすんとも言ってこない。

 彼との関係がこのまま自然消滅しますように。今村さんはそう願っていた。

 3月29日、土曜日。今村さんは女友だちを3人、部屋に招いた。皆で窓から桜並木を眺めて、ケータリングのピザを注文して食べた。日が暮れて川沿いのぼんぼりに明かりが灯ると、外に繰り出して川べりのカフェバーや居酒屋を夜遅くまでハシゴした。

 楽しい時間はあっという間だ。夜が更けて、友人たちが渋谷行きの最終バスに乗って去っていくと、今村さんはひどく寂しくなった。

 皆を見送ったバス停から自宅マンションまでは徒歩で約5分の道のりだ。痴漢やひったくりに遭わないように用心して、人の多い道を選んで歩いた。

 マンションの建物が見えてきて緊張を解いた直後、1メートルと離れない背後に体が大きな人物が迫ってきたような圧力を感じた。

 急に脈が速くなり、おっかなびっくり振り返った。

 けれども人混みがあるばかりだった。折しも風が吹いて桜吹雪が舞い、人々が歓声をあげた。

 今村さんは人々の中にカズヤが隠れているのではないかと思ったが、彼の姿も見当たらなかった。

 そこからは小走りでマンションの建物まで戻った。早くうちに帰りたかった。足音や天井の音は気になるが、誰かに後をつけられる方がずっと怖い。

 だが、こういうときに限ってエレベーターがなかなか来なかった。

 今村さんは焦って何度もボタンを押した。故障かもしれないと思ったが、夜遅かったので、マンションの管理人を呼びだすのは気が引けた。

 部屋は4階だから階段を上っていくのは簡単なことのようだけれど、今村さんはここの階段を使ったことがなかった。

 例の足音を不気味に感じていたのだ。出来れば階段は避けたかった。

 しばらく粘ったが、エントランスのガラス扉に酔っ払いがぶつかってきて死ぬほど驚き、それでついにエレベーターをあきらめた。

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