「AV業界一嫌われているライター」が見た生身のAV女優と“死にたくなるほどの”現実! 中村淳彦インタビュー
AV、介護、女性の貧困などをテーマに執筆を続けるノンフィクション作家、中村淳彦さんの著書『ハタチになったら死のうと思ってた AV女優19人の告白』(ミリオン出版)。

この本は、一見華やかに見える彼女たちの女優たちのリアルな人生、思い、外からは見えにくい業界の実情が描かれている。彼女たちの飾り気のない告白、そして、彼女たちが生きるAV業界を見つめる中村さんの冷徹な視点からは、現代社会の姿そのものが立ち上がってくる。
1996年にライターを始めて以来、1000人もの女優にインタビューしてきた中村さんに、女優たちの素顔、彼女たちを取り巻く社会、AV出演強要問題に揺れたAV業界の今、そしてこれからについて話を聞いた。

■AV女優19人、それぞれの人生
——中村さんのインタビューは、女優の本音の部分に踏み込んでいることが稀有だと思います。ここまで彼女たちの本音を聞き出し本に落とし込んでいくことは難しくありませんか?
中村 大変だし、正直難しい。今に至っても変わらなくて試行錯誤しています。AV業界は徹底した男尊女卑と市場主義が浸透していて、AV女優は裸やセックスを売って、その存在に利権がある人たち。立場的に営業妨害はできない。だからといって、業界が望むような宣伝を書いても誰も読まない。女優が洗脳状態みたいなこともあるし、AV女優を取材して一般読者に読ませるのは、スキルと経験が必要ではあると思う。
——今回の本では19人の女優が取り上げられているのですが、選択の基準は?
中村 適当です。AV女優のインタビューは、プロダクションや本人からの規制、NG事項が多いから会わないとわからない。AV業界は市場原理だけで動く。お客さんの大半はモテない男性。AV女優にそういう男性たちが都合いい女性を演出させて、財布を開かせるビジネスです。まずAV業界が一般社会に向けて発信するということに興味ないので、一貫してやりづらい。
——AV業界が社会に興味がないというのは、なんとなくわかります。
中村 僕はAV業界のことは詳しくて、様々な人を知っているけど、彼らは僕がノンフィクションの書籍を出版しているライターって知らないと思う。モテない男性ではなく、老若男女が欲しい情報を聞こうとするから嫌われる。本当に無能なライター、君みたいな能力が低い人がよく生活できるね、みたいな。しかし、AV業界が“ゴミみたいな文章”と断言したものが書店では女性が買ってくれて、たまにベストセラーなったりする。めちゃくちゃなわけです。正直、この構図には疲れてきました。
——だから、「業界一嫌われているライター」という評判が出てしまうのですね。
中村 AV業界と最近取材している介護業界とか、飲食系のブラック企業はすごく似ている。末端で働く人は人間ではなく、商品でロジックではなく、美辞麗句によってモチベーションをあげさせる。だから働く末端に不幸が起こってしまう。AV業界は例えば強要のようなことをしている人が正しくて、それはおかしいというと悪になる。だからAV業界は業界の御用ライターばかり。評判が悪すぎるのは15年くらい前まで、バランスのとり方がわからなくて、出演強要の本丸みたいな業界上層部に対してカウンターをやりすぎたからでしょうね。それが尾を引いている。若気の至りですね。
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コメント
お金が無くなりゃ、刑務所で暮らすか死ぬかしかないもんな。
とかなんとか言ってー!どーせ死ねないんでしょ?
>頭がいい女の子で「近いうちに死にたい」っていうのは最近メチャメチャ多くて、
俺は頭悪いけど、感覚的にそう思っている。