「AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て」売春、パパ活、裏ビデオ… 死に体となったAV業界の現状とは? 中村淳彦インタビュー

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 AV、介護、女性の貧困などをテーマに執筆を続けるノンフィクション作家、中村淳彦さんの著書ハタチになったら死のうと思ってた AV女優19人の告白(ミリオン出版)

「AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て」売春、パパ活、裏ビデオ… 死に体となったAV業界の現状とは? 中村淳彦インタビューの画像1

 この本は、一見華やかに見える彼女たちの女優たちのリアルな人生、思い、外からは見えにくい業界の実情が描かれている。彼女たちの飾り気のない告白、そして、彼女たちが生きるAV業界を見つめる中村さんの冷徹な視点からは、現代社会の姿そのものが立ち上がってくる。

 1996年にライターを始めて以来、1000人もの女優にインタビューしてきた中村さんに、女優たちの素顔、彼女たちを取り巻く社会、AV出演強要問題に揺れたAV業界の今、そしてこれからについて話を聞いた。(前編はこちら

 

■AV業界は「異界」

——この本で書かれていた、「AV業界は『異界』だ」という一文が印象に残っているのですが、どういうところが「異界」なのでしょうか?

中村 まず一般社会と断絶している。2016年に問題になったAV出演強要がその顕著な例ですね。2012年にブラック企業問題から社会が動きだして、一億総活躍や働き方改革になった。お客様最優先の市場原理主義みたいな考え方が許されなくなった。AV強要もその動きの延長線上にあったけど、結局、凄まじい苦情を突きつけられたAV業界は相手方と会話すらできなかった。

——強要問題については、本の中でも触れていますね。問題が明るみに出た際、どう思いましたか?

中村 当時、AV業界は平穏にまわっていたし、発端はフェミニスト絡みだったので違和感はあった。言っていることはわかるけど、でも、そこまで無茶苦茶な業界じゃないよなって。ただ、女性とか労働者の人権という目線でみると、確かにまずい部分はたくさんある。しばらくして、これはまずいことになったと思った。AV業界では危機意識をもったのは、僕が最短だと思う。ほとんどの人は危機感どころか、なにが起こっているのかすら理解していない状況でした。

「AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て」売春、パパ活、裏ビデオ… 死に体となったAV業界の現状とは? 中村淳彦インタビューの画像2
丸山れおな(撮影:田附勝)『ハタチになったら死のうと思ってた AV女優19人の告白』より

 

——業界内の人はどう捉えているんでしょう?

中村 自分たちが被害者で意地の悪い社会からいじめられている、みたいな感じじゃないかな。

——強要の問題は中村さんがライターを始めた頃からあったと思います。それが、最近になって騒がれたことに理由はあるのでしょうか?

中村 2012年あたりからはじまったブラック企業問題からはじまった社会の浄化ですね。市場原理主義だけでは社会は成り立たないって多くの人が気づいて、様々な問題が掘り起こされるようになった。最近、日大アメフト部が大問題になったけど、あれはAV強要の延長といえるでしょう。AV強要は社会的な関心が薄かったので助かった部分はある。

——「そろそろ(一般社会との)共生が必要だが、みんな宴に狂っていてそういう話はできない」と書いていましたね。

中村 働く末端の人々も幸せにならないと、許されないって社会になった。でも、AV業界は徹底した市場原理主義だから、儲かるか儲からないかだけ。AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て。それではダメだということですね。長く続けたいというAV女優は多いので、リスクを背負わせた以上、様々な可能性を探ってあげる必要があるでしょう。

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