「AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て」売春、パパ活、裏ビデオ… 死に体となったAV業界の現状とは? 中村淳彦インタビュー

関連キーワード:

,

,

,

「AV女優はリスクだけ背負わせて使い捨て」売春、パパ活、裏ビデオ… 死に体となったAV業界の現状とは? 中村淳彦インタビューの画像3中村淳彦氏

■AVの搾取構造は日本社会を映し出す

——これからAV業界は今後どうなりますか?

中村 AVは路上とかネットで新鮮な女の子を発掘、裸にしてサオ師を呼んで挿入して、あらゆる性行為をさせて、その一部始終を撮影して映像をばら撒くってビジネス。ホワイト化は難しいでしょう。1つ1つ違法なことを潰していく必要があるけど、AV女優、プロダクション、AVメーカーが一致団結して合法を目指すとか無理だと思う。

——そうなると、地下に潜って無茶苦茶になるのかもしれないですね。

中村 業界歴の長い底辺から流れてきた人たちは、ホワイト化とか一切興味ないはず。もうだいぶ前から、どんどん地下に潜っている。インディーズで裏ビデオみたいなことをやっている。ちょっと違法だったり、社会から眉をひそめられるような立ち位置じゃないと、彼らは生き生きと働かない。知っている限り、地下に潜っている人たちは楽しそうにやっていますね。

——ネットでは、今よりAVがアンダーグランドだった頃を彷彿させるような映像が流通しています。

中村 そこは貧困とリンクするケースはいっぱいありますよね。今は子どもの貧困は7人に1人で、大学生は半分以上が奨学金。シングルマザーもたくさんで、非正規の仕事だけでは食べていけない。だから売春とかパパ活が大流行。プロダクションは強要問題からの監視でがんじがらめだけど、貧しい女の子たちはなにかしないと生きていけないから、そういう裏ビデオみたいなところにどんどん引っかかっちゃっている。

——AVから始まり、介護や女性の貧困問題へとテーマを広げてきた中村さんですが、今後もAV業界をテーマにした執筆活動は続けていく予定ですか?

中村 AVはもうしばらくいいです。閉塞した狭い村にこっちが100%合わせなきゃならないことに疲れた。見放された産業だし、監視されてがんじがらめだし、かかわっていてもメリットがない。それにAV業界が唯一関心のあるモテない中年男性の妄想とか幻想みたいなことは、本当にどうでもいい。

——あえてですが、今後どうすればもっと業界がよくなると思いますか?

中村 過剰にモテない男性のリクエストを聞くことをストップして、女優の使い捨てをやめる。残った業界人同士も競争するのではなく、共生して、社会の動きにも耳を傾ける。意識をぜんぶ変えないと、よくならないでしょうね。

(文・渡邊浩行/モジラフ)

■中村淳彦(なかむら あつひこ)

ノンフィクション作家。企画女優に取材した『名前のない女たち』シリーズは累計25万部以上の売上げを誇る。08年から介護の会社を経営していたが14年に廃業。近年は女性の貧困問題についても取材、執筆を行う。『崩壊する介護現場』(ベスト新書)、『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)、『AV女優消滅 セックス労働から逃げ出す女たち』(幻冬舎)など著書多数。
Twitter:@atu_nakamura

関連キーワード

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ