【根本敬×ケロッピー前田】悪名高き伝説の雑誌『BURST』の復活を語り尽くす
【根本敬×ケロッピー前田】悪趣味、愛人5人、鬼畜、世紀末…悪名高き伝説の雑誌『BURST』の復活『バースト・ジェネレーション』を語る!
ーー今は全てがネットに上がる時代だから、物凄くマニアックなことでも、全員が知ることができる。それで、かつてはそんなもの知る必要がなかった層の人たちがすべからく怒ることになって炎上していますね。
ケロッピー 最近、イタリア人の知人と話をしていて、「日本は特にネットの使い方が《相互監視》になってしまって息苦しくなっている。特にソーシャルメディアで個人が個人を監視する時代になってしまったからだよね」と言われましたね。その逆で、ヨーロッパの人たちはもっと個人主義がはっきりしているから、ソーシャルメディアができてもっと楽になったと思うんです。
根本 そういう文化的な背景の違いもありますよね。
——昨年根本さんの著書『ディープコリア』が、レイシズムの流れで取り上げられたのも日本ならではの事例なのかもしれないですね。
根本 やっぱり、1980年代のものを遡って今言われるから困るんだよね。
ケロッピー ある種のイジメというか、人のあら探しをして攻撃しようという風潮はありますよね。
■《表現のリスク》と《使命感》
ケロッピー 根本さん自身の作家活動としては、前回の『根本敬ゲルニカ計画』のような壁画のようなことをやっていくんでしょうか。
根本 いや、基本は漫画家なので、サービス業ですよね。壁画にしても、たまたま「デカい画を描いてくれ」と言われたので描いたまでなんです。
——まずは「発注があったから」ってことなんですね。
根本 今でもはじめの一歩は、空手と一緒ですよ。僕は常に「向こうから来たものに対してただ応える」ってだけなので、自分からふるってことはないです。自分からというのはたった一度だけ、1981年の夏頃に青林堂の『ガロ』に漫画を持ち込んだ時ぐらいですね。それ以外は全て「向こうから来たものに対してどういうふうに自分から対応していこうかな」って考えで、それで気がついたら37~38年も経っていたという。
ケロッピー 根本さんは音楽もそうですけれど、活動の幅が広いですよね。
根本 そんなことはないですよ。実際に漫画で食っていたというのは、デビューして自動販売機のエロ本にちょっと描かせてもらった時期くらいのもので。すぐ『平凡パンチ』に掲載されてマガジンハウスからギャラが出たことにビックリしたのをよく覚えていて、それがせいぜい7~8年続いたくらいですね。
『ガロ』の作家って、元々隙間に入り込むのが得意だったんです。今の久住昌之さんや杉作J太郎さんなんか、まあ蛭子能収さんはちょっと特別ですけれど、みんなエロ本やサブカル系の雑誌に呼ばれていろいろなことをやっていた。そこでやってきたのは“漫画家として漫画以外のところでどうやって食っていくか”っていうところですよね。だから、当時からの経験があるので、僕らは漫画の仕事がなくても、他の仕事でなんとか潰しが効くんですよ。
同じ『ガロ』でデビューした漫画家でも、いきなりメジャー誌で万人受けする連載なんかを持ってしまった人の方が、後々苦労しているんです。結局、最初からなんでもやって苦労している人の方が今は生き延びてますよ。杉作J太郎みたいに20年くらい国民健康保険を滞納している……という噂ですが、真偽はさておき(笑)とにかくそんなような人の方が、なんとか生き延びてますよ。
——漫画で売れない方がいいって凄い話ですね!(笑)
根本 漫画の連載なんて最初からないんだし(笑)、なくなったところであたふたするようなことじゃないんですよ。
ーーでは、根本さん自身は何をやっている時が楽しいですか?
根本 特にないですね。そんなに感情に起伏がないです。月末の支払いには頭を悩ませますけどもね……。内田裕也さんも昔のインタビューで、家に帰って電気が止められていて、東京電力の営業所まで行って払った時に「なんでロックンローラーが電気代を支払わなきゃいけないんだ!?」って言ってたらしいですけれどね(笑)。ウチも今日、最後通告、赤紙の払込書がきちゃったから支払うんだけどさ、まあ1回目じゃ払わないよね(笑)。
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