米中貿易戦争泥沼化の裏で、米農民の自殺が急増中! 日本の食料自給率にも影響?

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【日刊サイゾーより】

 5月10日、中国からの輸入品2,000億ドル(約22兆円)相当についての追加関税を10%から25%へ引き上げた米国に対し、中国は報復措置として、6月1日より米国からの輸入品600億ドル(6兆6,000億円)相当についての関税率を最大25%へ引き上げる方針を発表。米中貿易戦争は泥沼化の様相を呈している。

 リコーが米国向け複合機の生産を中国からタイに移管するなど、日本企業も対応に苦慮しているが、長引く貿易戦争による影響が最も切実なのは、皮肉にも米国の農民だ。特に影響が大きいのは、輸出量の6割が中国向けだった大豆。その大豆に対し、中国は2018年7月から25%の追加関税をかけているため、輸出が減少している。米農務省によると、3月末時点の大豆の在庫量は前年同月比29%増。価格は低下し、農業従事者の生活を圧迫している。

 その影響は深刻で、「Newsweek」(5月16日号)によると、ナショナル・ファーマーズ・ユニオン(NFU)のパティ・エデルバーグ副会長は「米国の農業コミュニティにおいて、破産や自殺が急増している」と危惧を表明。調査会社モーニング・コンサルトが米国ファームビューロー連盟の支援のもと行った調査によると、金融面での問題がメンタルヘルスに影響を及ぼしている農民・農場労働者は全体の91%に達する。87%が農場を失うことを恐れ、農村部の成人の3分の1がメンタルヘルスケアを求めているという。

 政府は農家への支援を計画しているが、エデルバーグ氏は「我々に“バンドエイド”は必要ない。農家が生き残るために必要なのは、長期的視野に立った解決策だが、トランプはそれを間違ったやり方で進めている」と大統領を批判。貿易戦争が長期化すれば、2020年の大統領選挙でトランプ大統領は大量の「農家票」を失うことになるだろう。

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定から離脱した影響もあり、米国の農業は相対的に競争力が低下している。今後、中国という巨大マーケットを失った米国が、対日輸出のさらなる上積みを迫ってくる可能性は否定できない。そうなると、日本の自給率の低下を招きかねないだろう。

 米国農業の疲弊は、対岸の火事ではなさそうだ。

(文=大橋史彦)

編集部

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