8月11日は、死屍累々の人間の暗部を重ねた天才画家「ハンス・メムリンク」が亡くなった日! 《死》と《地獄》と《異界》…

『ハンス・メムリンク作「Triptych of Earthly Vanity and Divine Salvation(地上の虚栄と神の救済の三連祭壇画)」』(画像はWikipedia Hans Memling より使用)

 1494年8月11日は、15世紀のフランドルを代表する画家、ハンス・メムリンクが死亡した日である。


 メムリンクは静謐で緻密な肖像画と、豪華な祭壇画で、15世紀当時のヨーロッパで大変な人気を博した画家であるが、その一方で、同時期の画家とは異なるテーマで数多くの作品を残したアーティストでもある。


 それは、宗教的使用が主目的とされる三連祭壇画において、鏡とサンダル、豪奢な犬を侍らせた虚栄の少女像を完成させるために《死》と《地獄》という目に見えてグロテスクな《異界》を使用しているこの『地上の虚栄と神の救済の三連祭壇画』でも顕著である。


 一見して美しく寓話的な世界観の裏に、死屍累々の人間の暗部を重ねたメムリンクの感覚は、ジャンルを問わず多くのアーティストたちの間で現在も追求される《人類普遍のテーマ》であり、その先見性は今から500年以上も前のものとは思えぬほど鋭敏である。

 

<トカナ 今日の不幸を記憶するブラックカレンダーより>

編集部

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