人類が火星に行った瞬間に「火星の水が消滅」する!? イーロン・マスク氏の火星移住計画は大風呂敷!?

 一説には10年以内に実現するとも言われている火星への入植だが、そこに思わぬハードルが待ち受けているかもしれない。なんと人類が火星に行っても、その頃には火星の水が消滅している可能性があるというのだ。海外メディアが「人類が火星に着いた瞬間に水が消えてしまうかもしれない」という衝撃的なタイトルで最新の研究結果を解説していた――。

■火星の水が宇宙に逃げてゆく

 火星への旅行を計画している場合は、しばらく様子を見るのが正解だろう。時代の寵児であるイーロン・マスク氏が、それはそれは大量の水を満載した宇宙船を完成させるまでは……。

 元来、火星には豊富な水が眠っており、これを利用することで地球に近い住環境を作り出せるのではないかという期待があった。ところが最新の研究から、火星に存在する水が宇宙空間に放出されている可能性が明らかとなったのだ。

 火星において生命の痕跡を探っている微量ガス星探査機「TGO」は、大気中の水の分布を高度別に分析している。

 TGOが収集したデータによれば、2018年~2019年のうち、春から夏の嵐の期間にわたって高高度の水分量は増え続け、雲が十分に存在する状態でありながら過飽和に達していた。これはつまり、火星から水が逃げ出している懸念があるということだ。

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「Mysterious Universe」の記事より

■「過飽和」の原因は?

「懸念がある」ということは、まだ確信には至っていないということだろうか?

 フランスのパリ・サクレー大学の惑星科学者であり、「サイエンス誌」に掲載された論文の共著者であるフランク・モンメサン氏に尋ねるのがふさわしい質問だろう。彼は宇宙および天文学に関するニュースウェブサイト「Space.com」にて詳しい説明を行っている。

 モンメサン氏は2年間にもわたって、火星の大気のさまざまな高度で水がどのように分布しているかについて注目し続けており、彼の研究チームは、寒冷時と比べ大気上層の水蒸気量が10倍から100倍に跳ね上がっていることにショックを受けていたという。

 水蒸気の過飽和はなぜ生じてしまうのか、雨となって循環することはできないのか? は、この問いについて以下のような見解を示している。

「過飽和は塵や氷の粒子と同時に観察されているため、“雨の種”が存在する場合であっても、それが過飽和状態を防ぐことはできないと結論を下せます。気温の急激な低下や水分濃度の急上昇が背景にあって、これらが水分の凝結よりも早く生じてしまうのです」(モンメサン氏)

 火星の重力は弱いので、水が地表付近で蒸発する点については驚きはない。ただし、水蒸気が雲に吸収されず大気の上層に到達し、紫外線・水素・酸素原子の働きによって宇宙に逃げ出し続けていることについては予想を超えていた。

 加えてチームは、火星が太陽に最も近づく近日点において、水分の損失がとりわけ深刻になることも発見したのだ。

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