縄文ブームの“本当の理由”がイノシシ解体でわかった! 15000年前を生きた先祖とシンクロする唯一の方法とは!?(レポート)
■メスより切れる!? 縄文ナイフ
うわあ、切れる切れる! 肉に刃が入るとスーッと切れる。石で肉を切るなんて、ペーパーナイフで肉を切るようなもので手こずるだろうと思っていたら、カミソリのように切れる。切っていて、怖いほど。うちの包丁なんか比較にならない鋭い切れ味だ。もちろん凶器にもなるだろう。
2月8日、筆者は縄文文化を楽しむ「縄文ドキドキ会」が主催する『縄文食会 ~初春~ イノシシ一頭を食べる』に参加した。参加者で石器でイノシシを解体して、肉を食べようという、野趣あふれる企画である。
今回集まった30人は縄文文化マニアかジビエ好きのどちらか。男女半々ぐらいで、多くが初参加。石器に触るのも初めてだ。
メンバーの中には、岩宿博物館のスタッフもいた。この博物館は群馬県みどり市、旧石器時代( 縄文以前)の「岩宿遺跡」隣に位置し、石器づくりの体験教室も開いているというので、どうやって石器を作るのか聞いてみた。
「鹿の角をハンマーのように使って、黒曜石を叩いて作ります」
鹿の角? それが石を割るのにちょうどいい硬さなのか。
「叩いて割って、刃を作っていきます。割っていくだけです」
だが、石器作りの要となる黒曜石は群馬県では採れないそうだ。じゃあ、どうやって石器を作っていたのかといえば、長野県から運んできたのだという。東京の場合は箱根から運んでいたらしい。太古の昔、黒曜石の交易ルートがあったようなのだ。
黒曜石の石器を電子顕微鏡で調べたところ、刃先は医療用メスよりもなめらかだったという話もある。「メスよりはるかに切れる」と言う医者もいて、プロのお墨付き。肉なんて紙を切るようにスイスイ切れて当たり前なのだった。
イノシシの他にも縄文時代にちなんだ料理が並ぶ。奄美大島には宇宿貝塚という縄文遺跡があり、そこで発掘された「トビンニャ」という貝の塩ゆでやドングリの粉から作った縄文クッキー(縄文時代、練ったドングリ粉を焼き、クッキー状にして食べていたらしい)、ドングリ茶など、まさに縄文食のオンパレード。
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