幻覚剤のプラセボでまじでキマる! エンタメ分野に応用も… サイケトリップに違法薬物は不要!?(最新研究)

 場合によっては服用した3割の人々に実際に効果があるとされるプラセボ(偽薬)だが、これは非合法ドラッグにも当てはまるのだろうか。もしプラセボで“ハイ”になれるとすれば、副作用もなく何かと都合がいいのかもしれないが……。

■前代未聞の幻覚剤プラセボ実験

 タダで刺激的な幻覚体験ができるとなれば、興味をそそられる人もいるだろう。そこで33人の若者が志願し、サイケデリックな薬物がクリエイティビティに及ぼす影響を検証する実験に参加した。厳格な医学的スクリーニングを経た後、彼らは特別に用意された病室である“パーティー会場”に入れられ、そこでそれぞれ4ミリグラムの合成幻覚剤が与えられたのだ。

 参加者は15分ほどで、知覚の歪み、気分の変化、時には不安などの心的ストレスといった薬物の影響を感じはじめた。幾人かの参加者は、LSDなどのサイケデリック薬物を服用した経験があったのだが、その時の体験よりも強い意識の変化を報告した。

 3時間半後に実験は終了し、この刺激的な体験は幕を閉じた。研究主任は参加者を集めると、今までの体験そのものが巧妙に仕組まれたフェイクであるとタネ明かしをした。彼らが飲んだ錠剤は実はプラセボだったのだ。

幻覚剤のプラセボでまじでキマる! エンタメ分野に応用も… サイケトリップに違法薬物は不要!?(最新研究)の画像1
「Mysterious Universe」の記事より

 これはカナダ・マギル大学のジェイ・オルソン氏が率いる研究チームが2020年3月に「Psychopharmacology」で発表した研究の中で行われた興味深い実験の1つである。幻覚ドラッグに類するプラセボ効果がある程度あることが証明されることになったのだ。

 実験の概略は前述の通りだが、細部は入念に仕組まれたものであった。たとえば実験の会場となった「モントリオール神経研究所」に到着すると、扮装した者たちを含めた実際よりも多い白衣の研究者たちに出迎えられ、これも扮装した者たちを含む多くの警備員に守られた施設内部へ案内された。

 そして参加者の中にも“役者”が混ざっていて、薬物パーティーを盛り上げるための演出を行ったのである。ここまで周到に準備された実験は前代未聞であるということだ。

 そして研究主任が“タネ明かし”をした時、一部の参加者はショックを受けたことを表明した。しかしながら彼らのうちの35%は、自分が服用した錠剤がプラセボであると、タネが明かされる前に確信したという。正真正銘のサイケデリック薬物であると固く信じていたのは12%のみであった。そのほかの多くは、効いているように感じられるものの半信半疑であったことになる。

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「Mysterious Universe」の記事より

■プラセボでサイケデリック効果が生み出せる

 このようにプラセボ効果にはかなりの個人差があり、一部の参加者はいわゆる“マジックマッシュルーム”の幻覚剤成分であるシロシビン(psilocybin)に準じた効果が中程度、あるいは高容量に匹敵する効果があったと報告している。そして参加者の過半数(61%)は、何らかの効果があったことを口頭で報告している。

 具体的には会場の壁の絵が動いたり、変形したりしたのを見たという報告や、重力が強くなって身体が重くなったと感じた者もいた。落下していく感覚を味わったという報告もある。

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「Discover Magazine」の記事より

 強いサイケデリック効果があったという者もいたわけだが、それがどのような種類の効果であったのかについては「洞察」や「至福」などのより抽象的なものである傾向があったということだ。ちなみに実際にLSDを服用した場合、例えば本来存在していないものを見る幻視効果がより多く報告される傾向がある。

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