【スーパーナンペイ未解決事件】犯人は日中混成強盗団か!? 事件を知る男との攻防、カナダを巻き込み… 25年目の衝撃的真実！

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　警視庁の捜査で、何にはこの時すでに、偽造パスポートを使用したという旅券法違反容疑で逮捕状が発行されていたことが判明する。その何がカナダに渡り、永住権を取得していることがわかったのが、2012年。

　警視庁は、すぐさま関係機関を通じて、カナダ政府に何の引き渡しを求めた。だが、警視庁の要請を知った何は、弁護人を通じてこのように表明してきたのであった。

「話を聞きたいのであれば、カナダで聴取に応じる」

　つまり、カナダ国内であれば、警視庁の事情聴取に応じるというのである。明らかに、日本で取り調べられて、そのままスーパーナンペイ事件の強盗殺人容疑で立件されることを恐れた対応だった。

　だが、警視庁は、なんとしても自らの手元で調べを行いたいと考えた。そこで関係機関を通じて、引き続きカナダ政に何亮の引き渡しを要請した。そして2012年9月、カナダ・トロントの裁判所は、何の身柄の引き渡しを認める決定を言い渡したのであった。

　何は、すんなりとは応じなかった。

　決定後、何の弁護人が会見を開き、「カナダの法相に何の引き渡しの停止を求める」とする意向を明らかにしたのだ。そしてこの決定は、さらに控訴審に持ち込まれ、争われることになる。だが、結論は変わらなかった。

　控訴審においても、警視庁に身柄を引き渡す判決が下され、ついに2013年11月、何は日本へと移送されることになる。そして移送後、待ち構えていた警視庁により、旅券法違反容疑で逮捕されたのであった。

　事件発生から13年の歳月を経て、警視庁の捜査が実りを見せた――と思われた瞬間であった。「旅券法違反で逮捕し、その中でスーパーナンペイ事件についても聴取し、自供させるべし」。警視庁はそう考えた。

　だが、事はそう簡単に運ばなかった。

　何は、逮捕容疑である旅券法違反についてはあっさりと認めたものの、任意で行われたスーパーナンペイ事件については、関与を全面否定したのである。日中混成強盗団に情報提供していたことに関しても、「何も知らない」と言い続けた。

　武田証言とは真っ向から食い違うが、この時、すでに武田は中国で死刑が執行されていた。もう武田から話を聞くことはできない。

　捜査員たちはさぞかし歯がゆい思いをしたのではなかろうか。だが、証拠が乏しく、本人もまた一向に自供することなく、否定し続けているのである。スーパーナンペイ事件での立件は、断念せざるを得なかった。

　そして2014年。偽装パスポートの使用だけを認めた何は、東京地方裁判所立川支部で、懲役2年執行猶予5年の判決を受け、日本を後にした。スーパーナンペイ事件との関連は、なにひとつ明らかにされないままに――。

「これ以上の調べはできなかった」

　警視庁の捜査員らも、ただ、見送るしかなかっただろう。

 
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