隕石からエヴァンゲリオンの使徒が出現!? アメリカの珍事件がやばい!

 この、まるで尼僧が悪魔化したようなアンチ宗教的なフォルムの怪物は、「ブンブン」と唸るような音や「シュ~ッ」という音を発しながら、地面から1メートルほどの宙に浮いていた。やがてそいつが、恐怖に引きつる子供たちに向かってスーッと近づいてきたからもうタイヘン! ここで全員がパニックに陥り、その場から「わ~」と一目散に逃げ帰ったのだ。その後、怪物に遭遇した全員が、嘔吐やノドの腫れなど、マスタードガスを吸ったような症状に数日間悩まされたという。この騒動は瞬く間に全米に広まり、「フラットウッズ・モンスター」と命名され全米を震撼させたのだ。

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ブゥンブゥンブゥン(海老原優・絵)

 1960年代に入ると、フラットウッズ・モンスターは日本でも「3メートルの宇宙人」という、わかりやすいネーミングで少年誌などが紹介した。飛んできた火の玉は宇宙船と解釈されたのだ。また遭遇場面を再現したイラストのモンスターがハンパじゃなく怖くて、現在40歳以上の人たちは口をそろえてトラウマだったと語る。そのため、3メートル宇宙人は各社でフィギュア化され、漫画やアニメ作品でもインスパイアされたキャラクターが多く登場している。『ケロロ軍曹』の宇宙タレントや『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒・シャムシエルなどがそうだ。しかし、長年宇宙人と思われてきたフラットウッズ・モンスターは、宇宙人ではない可能性が濃厚となってきた。

 現在伝わっているその姿は、実は当時のマスコミが子供たちの目撃談を元に拙いイメージで発表したもの。まるっきり小学生のイタズラ書きみたいでしょ? 毎年、町興しで開催される「フラットウッズ・モンスター・フェスティバル」のHPにあるイラストを見れば一目瞭然だが、実際の目撃談を忠実に再現してみると、怪物の姿は明らかにメカなのだ。フードに見えたのはヘルメットで、腕はアンテナ。スカートのプリーツは縦に並んだ金属パイプ。まるで50年代風ロボットの懐かしいデザインだ。「ブンブン」や「シュ~ッ」という音は機械の空気圧か蒸気による噴出音だったのかもしれない。

 ちなみに『クレヨンしんちゃん』の「宇宙家族ノハラだゾ!」(前編)で、ピンク色をした3メートル宇宙人型ロボットに乗った渡辺麻友が登場するが、案外それで正しいのかもしれない(笑)。しかし仮に宇宙人が作ったロボットだとするとだ、いったい何のために送り込まれてきたのだろうか。攻撃兵器? いや地球探査ロボットと好意的に解釈しておこう。

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」

編集部

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