雨宿りを口実にナンパ&即ハメを楽しむ村人たち…! 欲望渦巻く「軒先が大きい家」の知られざる真実とは!?=西日本
【日本奇習紀行シリーズ 西日本】
昔から「用の美」という言葉はあるものの、実際にはそれが本来作り手が想定していたものとは大きく異なる用途で第三者によって用いられ、「美」とはかけ離れた状況に成り果ててしまうもこともあるようだ。
「このあたりは毎年夏になると通り雨が多くなる土地でね。」
かつて西日本のとある地域で行われていたという、「雨」にまつわる習慣と、今なお残るその痕跡についてそう語りはじめたのは、当地で生まれ育ち、現在も茸栽培農家を営む篠原友蔵さん(仮名・88)。天候の変わりやすい山間部に位置するせいか、もともと激しいにわか雨に見舞われることが昔から多かったという当地においては、そうした「雨」を利用する形での逢瀬やナンパがしばしば行われていたのだという。
「うちもそうだけどね、ここいらの家は、みんな軒先を大きくしてるの。“急に雨が降ってきたら、みなさん雨宿りしていってくださいね”という意味でね。だけど実際にはそういう体でね、たまたま居合わせた男と女が口説きあったりとか、内緒の関係の人らがね、逢引きするのに使っていたんだよ」
あくまで表向きは、通行人に対して雨宿り場所を提供するために設けられているという各家の大きな庇。しかしその実、この庇を使って、雨宿りの体でナンパしたり逢瀬を重ねる男女が多かったのだという。
「私らみんなね、そういう目的で使っているとはわかっちゃいるんだけども、それをどうこう言うのも無粋というものでしょ。だからそっとしておいてやる決まりになっていてね。私にしたってコッソリと覗かせてもらったことはあるけど、わざわざ言い咎めたりはしなかったね」
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