【殺人鬼と面会】87人殺害「死の天使」ドナルド・ハーヴィーと親友になった日本人学者が初激白&撲殺の裏側!

■私の知っているハーヴィー

 私がハーヴィーに会いに行ったのは、寒い冬の事だった。閑散としたオハイオの田舎(刑務所は通常、町中から離れた場所にある)は、道路上をまるで白い波のように粉雪が舞っていた。ホテルでもまったく部屋が温まらないので、ストーブを最強にして酒を煽り、早めに寝ることにした。

 翌日、面会に行った。金属探知機はあるものの、待合室から距離にして10mもない所に、ほんの4組も入れれば一杯になってしまうほどの小さな面会室があるのには驚いた。

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 現れた男はヒョロリとした弱々しい男で、色付きのメガネを掛けていた。何しろ困ったのは、「英語の訛り」が強く、慣れるまでに20分ほどかかったことだ。スナックとジュースを口にしつつ雑談を進めたが、日本から遠路はるばる来た本懐を遂げようと、早く本題に移りたくて仕方なかった。だが、何せ面会室が狭く、隣の会話が丸聞こえ。殺害に関するような話をするのは不可能にも思えた。

「君はラッキースターだよ。君が今日来てくれることが決まったすぐ後に母親から連絡があって、来週面会に来てくれるらしいんだ」

「お母さんとは仲悪かったんじゃないの?」

「確かに子供の頃は色々あったけど、もう人生も後半戦だからね。そうした昔の記憶は水に流すことにしたんだ」

 額面通りにも取れる発言だが、私がやり取りしてきた多くの受刑者と同様、皆すでに大きな犯行を実行しているので、そこから来る一種の達成感による「心の余裕」のようなものがあるのだろう。

 彼はホモセクシュアルなので、手紙でのやり取りでも所々そうした事に触れ、私の反応を見るような事がしばしばあったが、私がそれに乗らない人間だとわかったのか、そうした話は一切なかった。ただ、私の顔かたちをしばらく眺め、「これで君がどんな人か目にしっかり焼き付けたからもう大丈夫だ」と言って笑った。

 大した深い話もできず終了の時間になったので、窓の外を指さして「あの白いクーペが僕のレンタカーなんだ。今日が偶々誕生日だったんで、レンタカーの従業員が1グレードアップしてくれたんだ」と言うと「ゴメン。受刑者は窓の方を見ては行けないルールになってるから見れないんだ」と寂しそうな答えが返って来た。

 こうした些細な瞬間、ここが一般社会の外にある刑務所なのだということを肌で感ずる。

 受刑者であるハーヴィーが先に退出したが、ご多分に漏れず、一度ドアに向かうと日本人のように後ろを振り返るような事は一切なく、淡々と刑務所の日常へと帰って行った。

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