11件の殺人模倣犯を誕生させた超いわくつき映画『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の影響力とは? 実際に同級生の首を切断…

――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!

画像は「Amazon」より引用

『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
1994年・アメリカ(1995年・日本公開)
監督/オリバー・ストーン
脚本/デヴィッド・ヴェロズ、リチャード・ルトウスキー、オリバー・ストーン
出演/ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、ロバート・ダウニー・Jrほか

 ナチュラル・ボーン・キラーズ――生まれながらの人殺し。奇しくも主演ウディ・ハレルソンの父親は、マフィアの息が掛かった殺し屋だった(終身刑で獄中死)。それをオリバー・ストーンが知った上でのキャスティングだ。そして作品は、各館で上映中止、影響を受けた模倣犯の多発、監督と製作会社に対する訴訟と、荒れに荒れた問題作になった。

 1958年ネブラスカ州で、19歳の少年と14歳の少女が、交際に反対する彼女の家族を3人殺害し、逮捕されるまでに11人の命を場当たり的に奪った。この少年の容貌が『理由なき反抗』(55年)で反権力の象徴になっていたジェームズ・ディーンっぽいと、大衆やマスコミがスター扱いした。この事件をチャーリー・シーンとサイキック・ホラーの大傑作『キャリー』(76年)のシシー・スペイセクで映画化した『地獄の逃避行』(73年)は、凶悪事件が抒情的な青春ロードムービーで描かれた。その映画に影響を受けたクエンティン・タランティーノが、世界的にブレイクする数年前に書いた原案が買い取られ脚本になった。

 ミッキー(ウディ・ハレルソン)とマロリー(ブラピの元カノ、ジュリエット・ルイス)は、真っ赤なオープンカーを走らせながら行き先々で人を殺しまくっていた。逃亡中、マロリーが原っぱにしゃがんで野ションをしながら2人の出会いを回想する。父親が超ミニスカ少女マロリーを前に立たせ、尻を両手で揉みながら「シャワーを浴びてよく洗うんだぞ。あとでじっくり調べるからな」。マロリーは幼少時から実の父親に性的虐待を受けていた。しかもマロリーの弟は、父親がマロリーを犯して生まれた子という驚愕の事実が発覚。

 実はタランティーノはストーンに対し「クレジットから僕の名前を外してくれ」と怒り、周囲に不満をブチ撒けていた(よくある原作レイプってやつ)。その最たるシーンがこの件で、アメリカ特有の番組形式シットコム(観客の拍手や笑い声が入るシチュエーション・コメディ)風の再現フィルムに、タランティーノは生理的嫌悪を覚えたという。

 そこへ配達のバイトでやってきたミッキーが初対面でマロリーと意気投合し、2人で両親を殺害。12人の警察官や通りすがりに人を殺しまくって逃げ回る。この事件を自らレポーターを務めるウェイン・ゲール(『アイアンマン』のロバート・ダウニー・Jr)が制作する人気番組『アメリカの殺人鬼』が紹介すると、世界中の若者の間でミッキーとマロリーは熱狂的な支持を受け、『タイム』『ニューズウィーク』といった有名誌の表紙を飾る。

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