極端な暴力、マ●コ、生首…猥褻出版物法に抵触した“全裸ジグソーパズル系”封印映画『ブラッド・ピーセス 悪魔のチェーンソー』

――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!

『ブラッド・ピーセス 悪魔のチェーンソー』

画像は「Amazon」より引用

1983年・スペイン、アメリカ、プエルトリコ、イタリア合作
監督/ファン・ピケール・シモン
脚本/ディック・ランドール、ジョー・ダマト
出演/クリストファー・ジョージ、リンダ・デイほか

 この作品の原題は『PIECES』。「ジグソーパズルのピース」と「バラバラ殺人の人体パーツ」を掛けたダブル・ミーニングのタイトルだ。日本未公開作品だが、米国では1983年に公開され「女性に対する極端な暴力の搾取を唯一の目的とする惨めで愚かな作品」(『ロサンゼルスタイムズ』映画評論家ケビン・トーマス)などと有識者たちのバッシングを浴びる一方、グラインドハウスではヒット作品となった。そしてエログロには厳しい紳士の国イギリスでは「猥褻出版物法」に抵触し、1984年からビデオソフトも審査対象に再編されたBBFC(全英映像等級審査機構)によってビデオは発売中止となった。

 監督のファン・ピケール・シモンは、スペイン版スーパーマン『スーパーソニックマン』(79年)、キモさ全開のナメクジ映画『スラッグス』(88年)など、スペインが生んだB級映画職人。その本編演出には稚拙さを見受けるが、ことスプラッター描写に関しては豹変する。『2000人の狂人』(64年)などで「血糊のゴッドファーザー」と呼ばれたハーシェル・ゴードン・ルイスと、『サスペリア』(77年)のダリオ・アルジェントを彷彿させるショッキングな表現だ。『猟奇変態地獄』(77年)の監督、ジョー・ダマトが脚本に絡んでいるのにも注目だ。

 事の起こりは1942年のボストン。10歳の男の子がジグソーパズルに興じている。ママが「坊やは何してるのかな~」と背後からそっと覗いてみると全裸女性のジグソーパズル。坊やにビンタ2発食らわせたママは、「こんな汚らわしい物!」と股間を含む残り5ピースで完成だったパズルを蹴散らしてしまう。「全部燃やしてやるわ」と引き出しや収納ケースからエロ本を次々と発見していくママが後ろを振り返ると、坊やが振り上げた斧が頭にグサッと4発の倍返し!

 坊やはノコギリでママを解体し、安心してアソコのピースをハメてパズルを完成させる。異変を感じた民間人の通報で駆け付けた警官は、血まみれの部屋を見て「ひどい、まるで屠殺場だ」。当時発売していたベストロン・ビデオの和訳だが、現在「屠殺」はメディアで使っちゃいけない差別用語。警官がクローゼットを開くと、そこにはママの生首! タイトルインして、ダリオ・アルジェント作品の常連ゴブリンが演奏する『ゾンビ』そっくりのメインテーマ曲が流れ出す。

 事件から40数年後、見覚えのある血染めのワンピースと赤くバッテンされたママの顔写真を眺めてから、あのヌードパズルを始める謎の人物(顔は見せない)。成長した坊やだろうが、部屋は当時の家ではないようだ。ある日、市内の大学構内で2人の女子大生がチェーンソーで惨殺される。学長はマスコミに内緒で警察を呼び、実況見分が始まる。バラバラ死体の写真を撮っている鑑識はカメオ出演のシモン監督だ。被害者は各々頭部と腕が1ピース足りていなかった。ブラッケン警部は、チャラ男学生のケンドルに協力を要請し友人関係を洗う。

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