「人間やめたい」写真家・ゆうきたまの“奇妙な”写真展を取材! ラブドール秘宝館と異色のコラボ

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 昨年12月22日から約2週間、「八潮秘宝館」で本館初となる写真展において、大阪府在住の写真家である<ゆうきたまさん>の作品が展示された。写真展のタイトルは、『流琉~ruru~ vol.1.8』。

 「八潮秘宝館」は、多数のラブドールを展示していることで有名だ。館主の兵頭喜貴さんが自ら所有するラブドールを年に何回か一般公開している。

 そんな場所で開催された写真展は実に奇妙だった。人物が映っているものは、わずか一点のみ。その他は水墨画のようなものがズラリ。掛け軸もある。コンテンポラリーな作品と言ったらいいのだろうか? 早速、ゆうきたまさん話を聞いてみた。

「写真らしくない写真と言いますか、ボヤボヤした写真を撮りたいと思っていたんです。綺麗なだけじゃない写真といった感じのですね。そこで、『首から上、髪の毛』を撮ってみようと思いました。撮影時には、シャッター速度を意図的に落としたり、絞りを変えたりしました。ファインダーを覗いて撮ったものは一枚もないですね。写真展のタイトル『流琉~ruru~』は、髪の毛が流れて留まるような様子を指しています。この写真展の構想は、半年ほどかけて練り上げました」(ゆうきたまさん)

 なるほど。ここに映し出されているのは、“髪の毛”だったのだ。一部は、干し魚を裂いたものを撮っているのかと思っていた。それにしても、“髪の毛”だけで表現してしまうというのは大胆だ。掛け軸の展示もインパクトがある。

「大きなテーマとしては、『人間やめたい』ということですかね。でも、これは死にたいという願望ではないんですよ。『生きるために新たな自分を見つけるためのアプローチ』といった意味合いがあります。髪の毛というのは、『他の存在になることができるもの』として考えています」(同)

 『流琉~ruru~ 』シリーズでの展示は、『vol.0.0』(UNKNOWN ASIA展/2019年)、『vol.1.0』(Nano Gallery/2020年)に続いて、今回が3回目になる。今回の展示は、『vol.1.0』の発展系だという。

「掛け軸のものと額縁のものは、インクジェット和紙に写真をプリントしています。四国にある会社でプリント作業をしてもらいました。それを掛け軸に貼ったり、額に入れたりしています。全部“自撮り”なのですが、自室の布団の中で撮ったものが多いです(笑)。コロナになってから、外に行く時間が減ったので、制作に使える時間は増えましたね」(同)

 ピンク色のセロハンが貼られた蛍光灯に照らされた髪の毛の写真からは、生きもののような生々しさが感じられた。写真額や掛け軸をナナメに傾けたら、サラサラっと写真の中の髪の毛が流れてしまうような、そんな魔術的なリアリティだ。

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