全ホラーファンが騙された封印映画『悪魔の生物教師』! 名優カーク・ダグラスと変死した女優が怪演

――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコミどころ満載の封印映画をメッタ斬り!


『悪魔の生物78教師』
1974年、アメリカ・イギリス合作
監督/ダニエル・ペトリ
脚本/ジョン・ピーコック
出演/カーク・ダグラス、ジーン・セバーグ、ジョン・ヴァーノンほか

 2020年2月5日、ハリウッドの大物俳優カーク・ダグラスが103歳で逝去した。ディズニー映画『海底二万哩』(54年)でダイオウイカと戦い、『炎の人ゴッホ』(56年)ではゴッホ役でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。ガッツ石松「オッケー牧場」の元ネタ『OK牧場の決斗』(57年)では西部開拓時代に実在した伝説のガンマン、ドク・ホリデイを演じ、プロデューサーとして無名時代のスタンリー・キューブリック監督を抜擢し主演も務めた『スパルタカス』(60年)も感動的な名作だった。

 ちなみに佐々木主浩投手(横浜ベイスターズ、シアトル・マリナーズ)のニックネームになった『大魔神』(66年)の顎の割れ目は、カーク・ダグラスのトレードマークでもある割れた顎からインスパイアされたものだ。

 そんな逞しく男らしいアメリカ男性を象徴したカーク・ダグラスには珍しく、根暗なストーカーを演じた作品がある。作品は当初『MOUSEY』(ネズミのようにオドオドした臆病者)という題名のテレビ映画として製作され、イギリスほか海外公開の際に『CAT AND MOUSE』(追いつ追われつ)に改題された。日本では80年代のホラー映画ブームに便乗して『悪魔の生物教師』というタイトルでビデオ化され、レンタルした大勢のホラーファンが騙された(笑)。以降まったくディスク化されず、現在は忘れ去られた作品となっている。追悼を込め、あえて紹介しよう。カーク・ダグラスがミジメに描かれた作品を。

 カナダのハリファクスで教鞭をとる初老の小学校教師ジョージ・アンダーソン(カーク・ダグラス)。いつもドブネズミ色のスーツを着て黙々とカエルを解剖するジョージは、児童の間で「ネズ公(MOUSEY)」と陰口を叩かれる全く人望のない理科教師だ。そんな冴えない彼にも、一回り以上離れた超美人妻のローラ(ジーン・セバーグ)と目に入れても痛くない息子サイモンがいて、その私生活は幸福だった。

 だが、ある日ローラは「実は、サイモンは元カレとの子なの」とジョージに告げ、元カレと再婚するため子連れでモントリオールへ去ってしまう。ショックを受けたジョージは家を売り払い、学校も辞めてローラの後を追う。

 ローラのアパートを訪ねたジョージは、寝ている息子の脇に理科室から持ち出した解剖道具セットを土産に置こうとする。ローラ「そんな物いらないわ。私たちも形だけの結婚で愛はなかったわ」。妻子を愛して暮らしていたジョージに怒りが込み上げ、危険を感じたローラが警察に電話する。ジョージは「恨むぞ」と言って立ち去る。ローラによると、子が作れない体のジョージと契約結婚したが、やがてサイモンを実子と錯覚し自分をも愛し始めたのだという。

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