若者をレイプ&射撃の的にして殺しまくった「バックパッカーキラー」の正体! 獄中で指切断も… 犯人をガチ取材した阿部教授が激白!!

★気鋭の教育学者・阿部憲仁がシリアルキラーの実像に迫る「凶悪犯プロファイル」シリーズ★

 アイバン・ミラットは、オーストラリアでダントツに悪名高い連続殺人犯だ。広大なオーストラリアをヒッチハイクで周ろうとする若者たちを拾い、自分の領域まで連れてきた所で惨殺する手口で7名が命を奪われた。当時、「オーストラリアは若者の旅にはキケンな国である」というイメージを世界の人々に植え付けることにもなった。事件は数々の映画の題材となり、最近ではテレビシリーズにもなっている。ちなみに、「バックパッカーキラー」ことアイバンは独居房の中でプラスチックのナイフを使って小指を切り落としたことでも有名だ。2019年10月27日に、食道癌で死去。享年74。

若者をレイプ&射撃の的にして殺しまくった「バックパッカーキラー」の正体! 獄中で指切断も… 犯人をガチ取材した阿部教授が激白!!の画像1
アイバン・ミラットと被害者たち。画像は「nine.news.au」より引用

■アイバンによる犯行全貌

 1944年生まれのアイバンは、1974年にバックパッカー連続殺人で逮捕されるまで、不法侵入・車窃盗・強姦・危険運転・仮釈違反・強盗・銃刀法……等のあらゆる犯罪で逮捕されている。

 1990年にイギリス人バックパッカーのポール・オニオンを車に乗せるが、質問ばかりを繰り返すアイバンを不審に思い、車から脱出したオニオンは窮地を免れた。その2年後、2人の女性パッカーがオニオンの事件現場からすぐ近くで刺殺され、性的暴行を受けた。うち一人は頭を複数回銃弾で撃たれ、射撃の的に使われたと考えられた。

 翌年、数年前から行方不明になっていた男女のカップルが、シドニーの南西約120キロにあるベラングロ州立森林公園の近くで遺体となって発見され、本格的な捜査が開始された。その1カ月後、10年以上も前から行方不明になっていた女性の遺骨が発見され、その3日後にもやはり10年以上前に行方不明になっていたカップルの遺体が見つかった。女性の方は頭部が切断された状態だった。

 被害者の多くはヒュームハイウェイ(HUME)で車に乗せられ、殺害現場であるベラングローの森林公園で殺害されたと考えられている。一連の事件を起こした犯人としてアイバンが浮上し、実際にその罪が明らかになったことで「オーストラリアの安全神話」は完全に否定された。

■私の知っているアイバン

 アイバンはイスラム系のテロリストが数多く収容されるシドニーの最重要刑務所、ゴウルバーンに無期懲役で収容されていた。彼の手紙はいつも10ページを超える長文であり、その一糸乱れぬ手書きの文字に当初は本当に衝撃を受けた。「Super Max」という最高警戒レベルの収監者のため、本を送る事もできず、いつも彼が関心のありそうなネット情報を複数ページ、印刷して同封した。

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画像は「nine.news.au」より引用

 クロアチア移民の父親とオーストラリア人の母親の間に生まれた14人兄弟の5番目、と筆者は予め調べていたので、対話の冒頭から「両親は厳しかった?」「兄弟が多くて寂しい思いをしなかった?」など、ダイレクトに私の専門である家庭環境を分析するための情報を尋ねてみた。アイバンは一貫して「全くそんな事はなかったよ。僕の父さんは僕が何か間違いを犯しても、手を上げたりすることはなく、一つ一つ丁寧にどういうところがいけなかったのかを僕が納得するまで説明してくれる人だったんだ」と力説した。

 最初の数回はそうした質問を織り交ぜた内容だったが、「自分が無実である」という主張だけは不動のものだった。彼の論点はクライブ・スモールという捜査官がいかに自分の手柄を上げることに執着しているか、そして逃走に成功したポール・オニオンの供述をいかに捻じ曲げ、彼を証人として抱き込んだかという点に集約されていた。

「殺人容疑の前にレイプで逮捕され、最終的に無罪になっているが、その経緯は?」という問いに対しては、「確かに女性2人を車で拾ったのは事実だよ。だけど、その内の一人と僕が仲良くなっちゃって。僕は2人がレズビアンだって知らなかったから、もう一方の女性がヤキモチを焼いてレイプに仕立てたんだ」と回答。「もし君の言うことが正しければ、君が捕まってからも殺人事件は継続している筈だよね?」という問いに対しても「その通りなんだ」という答えだった。

 当時まだ研究経験の浅かった私は、「ひょっとしたら彼は本当に稀な冤罪のケースかもしれない」と思ったこともあった。クライブ・スモール捜査官もあまり評判がよろしくなかったし、元捜査官を売りにテレビタレントになりたがっている典型のような人物だった。加えて、アイバンの甥であるアルの、「家で何かあった時に真っ先に協力してくれるのはアイバンだった」といった言葉も私の心に引っ掛かっていた。

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