“脳内タイムトラベル”を可能にする脳の“時間追跡ニューロン”が特定される! 時間の概念とは一体何なのか?

 どんなに記憶力に自信がなかったとしても昨日という1日を振り返って朝から順序立てて思い出すことはできるだろう。そしてもちろん、昨日食べた朝食と夕食を入れ替えて記憶していることもない。このように我々は昨日という1日を時間軸に沿った“物語”として記憶しているのだが、最新の研究で「時間の経過を記憶」とを結びつけている脳内のメカニズムが解明されつつあるようだ。

■記憶に“タイムスタンプ”を押す神経細胞が特定される

 重要な出来事があった日の記憶や、あるいは楽しかった日帰り旅行の思い出は、その日に体験したことを時間軸通りに思い出すことができるだろう。

 このようにタイムラインに沿って“物語”として記憶していることを「エピソード記憶」という。過去に「何を」「どこで」起こったのかに加えて「いつ」であったのかも思い出せる能力だ。

 その一方でたとえばかけ算の九九や英単語、仕事のマニュアルなどは「意味記憶」であり、時間軸はほとんど関係ない記憶だ(関連付けてもよいのだが)。

 まるで“タイムスタンプ”を押すかのように、記憶に時間情報を結びつけているのは脳のどのような働きによるものなのか。

 最新の研究では、脳の海馬の特定の神経細胞が“記憶に時間を関係づけて”おり、脳の神経細胞に“時間追跡ニューロン”があることが浮き彫りになったのだ。

「Vice」の記事より


 フランス国立科学研究センターをはじめとする研究チームが先日に「Journal of Neuroscience」で発表した研究では、海馬の特定の神経細胞が「出来事の時間と順序に関する情報」をエンコードすることにより、記憶に寄与している可能性が示唆されている。

 以前の研究でげっ歯類は海馬にある神経細胞が特定の瞬間(いつ)に応答して活動を見せることがわかっているのだが、最近まで人間の脳にもそうした神経細胞があるのかどうかはよくわかっていなかった。

 この問題に取り組むべく、研究チームは電極を脳に埋め込んでいるてんかん患者の協力のもとで2つのタスクベースの実験を設計した。

 最初の実験では参加した患者のうち9人に、花、鳥、バラク・オバマ(元大統領)などの画像を含む短い視覚情報を記憶するように依頼した。参加者は順番づけられた画像を繰り返し見て覚えた後、任意の時間に実験が一時停止され、患者は中断したまま表示されている画像の次の画像が何であるかが問われた。この時の参加者の脳活動を詳しくモニターすると、実験中に脳内の特定の神経細胞が活発に活動していることが明らかになったのだ。

 2番目の実験では、6人の患者のグループに同じく一連の画像を見せて記憶してもらい、パターン内の次の画像を予測することも課された。課題中にランダムで10秒間の中断を挟んだのだが、参加者が課題の再開を待っているこの短いギャップの間、外部の刺激やイベントがないにもかかわらず、脳内の“時間追跡ニューロン”は依然として時間的経験を積極的に処理していたのである。

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