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大阪ミナミの伝説の半グレ集団「アビス」とは何者か　凶暴すぎる武闘派集団のカリスマ性と激ヤバエピソード

2021.12.22 18:00

　12月10日に全国の書店に先駆けてAmazonから先行発売された『さらばアビス』阪本涼／DATURA著（サイゾー刊）が話題を呼んでいる。　

　「アビス」は、大阪の伝説の半グレ集団として知られるグループで、最盛期で300人以上のメンバーを束ね、ぼったくりバーなども数店舗経営。その資金力は億単位にのぼったとも言われている。さらに屈強なリーダーのもと、暴力行為をも辞さないアビスは、関西の闇社会の中心的存在で、半グレ界のスターともいえる集団だった。しかし、メンバーの大量検挙により2019年に突如離散……。（これについては、過去にトカナでも何度も掲載している）

　悪のカリスマ的魅力を備えた「アビスのリーダーの人間性」や「グループの結束力」は今でも伝説として語られているが、実際のところはどうなのか。また、大阪の鶴見区の一暴走族に過ぎなかったグループが、なぜ大阪・ミナミという繁華街に進出できたのか。本書では、その謎をアビスの初期メンバーだったDATURAこと阪本涼が詳細に語っているが、アビスをめぐる周辺事情の一部を紹介したい。

●ミナミを一気に攻めて逮捕された元アビスメンバーの証言

　さきほども書いたように、アビスの最盛期は300人以上のメンバーが在籍していた。彼らは結束して大阪・ミナミを一気に攻めた。当時のミナミにはアウトセブン（ゼロナナ、ゼロセブン）と呼ばれるグループもあり、アビスの男女メンバー55人が逮捕される抗争に発展した。そのなかで逮捕されたあるメンバーはその後トカナの取材に対して次のように語っていた。

「凶器準備集合罪で逮捕されたんやけど、22日間完全黙秘で釈放されました。調べはホンマにアビスの内情を探りたいだけという感じで、事件について聞かれたのは最初の数日だけ。あとはグループの情報について聞かれて終わりました。大阪府警の狙いはアビスを知ることだったんです。ホンマに自分らのことを目の敵にしていましたから」（元アビスメンバー）

●アビス経営のガールズバーで働いていた女性の証言

　当時、アビスはミナミで客をキャッチし、自分らが経営するガールズバーなどに連れて行き、何十万円の請求をすることで悪名が知れ渡っていた。毎月の売り上げも相当な金額であったといわれている。当時、そのガールズバーで働いていた女性は次のように語っていた。

「客に強い酒をどんどん飲ませて酔い潰させるのが日課やった。現金が無い客の場合は財布からカードを抜き取り、店の黒服が外に放るというのが常。警察沙汰になっても伝票もあるし、メニューもあるから関係あらへん。私らも取った分だけバックされるから、月に200万円以上貰っていましたよ」（元ガールズバー勤務女性）

　月に200万円以上貰っていたという彼女の働いていたガールズバーの仕組みについては、『さらばアビス』に詳しく書かれている。また、この女性はこうも語っていた

「アビスは、毎年バーベキューにはバスを借り切って旅行に行くようなホンマに仲が良いグループでした。リーダーは仲間の葬式などでは涙を流すことがあるくらい情が深い人間で、世間で言われているような人間性とちゃいましたね」（元ガールズバー勤務女性）

　世間の評判とは違う、リーダーの人間性とは一体どのようなものだったのか。　　

　アビスは厳しい警察の取り締まりによって、壊滅を余儀なくされ、現在はリーダーを含む多くの人間が受刑者として刑に服している。幹部を含む何人かの人間は既に出所しているが、真面目に生きている人間もいれば、ほかの半グレに属して未だに悪事を働いている人間も多いという。本書は、著者自身の生い立ちから、アビスの結成秘話、リーダーの人格、逮捕、その後について、詳細に書かれている。

　2010年代後半から大阪・ミナミで暴れまわった伝説の半グレ集団「アビス」の内情を知るにはこれ以上ない内容だ。果たして著者が見たアビスとは何だったのであろうか。ぜひ、ご一読いただきたい。