『「豊田商事会長刺殺事件」を報じる「毎日新聞」』

1985年6月18日は、当時“現物まがい商法”なる悪徳商法で2,000億円という暴利を上げていた豊田商事の会長・永野一男が、マスコミ監視の中で刺殺されるという「豊田商事会長刺殺事件」の起きた日である。
犯行に及んだのは、「豊田商事の被害者に頼まれてやってきた」という飯田篤郎と矢野正計。
その悪徳商法がマスコミで話題になっていた永野が逮捕寸前だということで、大阪市北区の永野宅マンションには報道陣が詰めかけていたが、その部屋へ飯田と矢野が窓ガラスを破壊して押し入っていくところから、殺害し終わるところまでがテレビ中継されるという、半ば“マスコミ公認の状態”で行なわれた前代未聞の惨劇だった。
そして、世情を反映したように、殺害犯たちの裁判ではその犯行を「豊田商事の悪徳商法で多くの老人が犠牲になっていることへの義憤」と裁判長が判断し、懲役10年(飯田)と8年(矢野)という比較的軽い判決が言い渡された。
被害者の悪行、そして制止しなかった多くの目撃者たちが存在したということで、この「豊田商事会長刺殺事件」は、善悪の判断が極めて難しい事件であったことは確かである。
果たして、現在同様の殺人事件が起きたとして、我々の生きる社会はどのような判断をくだすのだろうか。

(写真は『毎日新聞』1985年6月19日版)

6月18日の不幸

1902年
【死去】サミュエル・バトラー(Samuel Butler)【小説家/イギリス】

匿名で発表したユートピア小説『Erewhon(エレホン)』の作者として知られる人物。また、生涯にわたりダーウィンの『種の起源』について批判していたことでも知られている。ロンドンの老人ホームで死亡。没年66歳。

1936年
【怪死】マクシム・ゴーリキー(Maxim 〈Maksim〉Gorky/本名 Alexei Maximovich Peshkov)【小説家・活動家/ソ連】

チェーホフやレフ・トルストイと並び称されるロシアを代表する小説家であり、1907年の小説『母』で社会主義リアリズムを創始した人物。その他代表作に『どん底』等。個人的にレーニンのスポンサーを務めたほど社会主義政権に傾倒していたが、1917年の「10月革命」の頃にはレーニンを見限り、1921年には結核の療養のためにイタリアに移住。1932年にスターリンに呼ばれソ連に戻るも、晩年はスターリンの粛正下で軟禁状態にあった。1935年に息子が急死し、翌年6月18日に肺炎で死亡。没年68歳。なお、1938年の第3回モスクワ裁判で、ヤゴーダのNKVD(内務人民委員部)エージェントにより殺害されたという告発があったが、真相は不明。

1967年
【テロ】【未解決事件】「山陽電鉄爆破事件」

1967年6月18日14時05分に発生し、死者2人、重傷者29人を出した大規模なテロ事件。兵庫県神戸市にある山陽電鉄本線電鉄塩屋駅構内で、電車内の網棚にあった荷物が爆発、乗客の22歳女性が爆死、39歳女性が後に死亡した。捜査の結果、塩素系カリウムと硫黄の混合火薬が詰まった時限式起爆装置によるものとされた。犯人は全く不明となったままである。

1985年
【殺人事件】「豊田商事会長刺殺事件」

現物まがい商法なる悪徳商法で2,000億円という暴利を上げていた豊田商事の会長・永野一男が、その被害者に頼まれてやってきたという2人の男に刺殺された事件。マスコミが取り囲む自宅マンションに飯田篤郎と矢野正計が入っていき、殺害し終わるところまでがテレビ中継され、半ばマスコミ公認の状態で行なわれた惨劇だった。裁判ではその犯行を「豊田商事の悪徳商法で多くの老人が犠牲になっていることへの義憤」と判断し、実行犯のふたりに懲役10年と8年という比較的軽い判決が言い渡された。

1992年
【エイズ】ピーター・アレン(Peter Allen)【シンガーソングライター/オーストラリア】

映画『ミスター・アーサー』の主題歌である『Arthur's Theme (Best That You Can Do)』でアカデミー歌曲賞受賞。オリビア・ニュートン・ジョンのヒット曲『I Honestly Love You』の作者としても知られる。スター歌手のライザ・ミネリと結婚していたことでも知られるが5年ほどで離婚した。エイズによる合併症で48歳没

2002年
【死去】山本直純【作曲家】

映画『男はつらいよ』のテーマ曲をはじめ、日本のエンターテインメント界に膨大な名曲を残した作曲家。ラジオ『小沢昭一の小沢昭一的こころ』のテーマ曲『明日の心だ』、挿入歌、映画『殺しの烙印』テーマ曲、ドラマ『マグマ大使のうた』、バラエティ『ミュージックフェアのテーマ』『すばらしい世界旅行』『3時のあなた』、御幸毛織CM『ミユキの歌』等々、昭和エンターテインメント全般にかかわり、印象的な音楽を提供した。急性心不全で68歳没。

2008年
【夭折】神戸みゆき【タレント】

ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』の3代目セーラームーン役やテレビバラエティ等で活躍。2007年にミュージカル『レ・ミゼラブル』の出演予定を体調不良でキャンセルし、その療養で入退院を繰り返したが、翌年6月18日に心不全で死亡した。没年24歳。

2010年
【自殺】トム・ニコン(Tom Nicon)【ファッションモデル/フランス】

イギリスのブランド「バーバリー」の広告塔として活躍した男性ファッションモデル。その他あらゆる一流ブランドのショー等で活躍したが、2010年に行なわれたミラノコレクションにおいて「ベルサーチ」のショーのリハーサル終了後にミラノの自宅へ帰宅。その4階から落下し死亡した。周囲の状況から自殺とみられた。22歳没。

2015年
【死去】たてかべ和也【声優】

『ど根性ガエル』のゴリライモ、『はじめ人間ギャートルズ』のドテチン、『ヤッターマン』のトンズラー、『ドラえもん』のジャイアン等、数々のヒットアニメで活躍した声優。急性呼吸器不全で80歳没。老衰といってもいいような穏やかな死に方だったという。