発見者「我々は何か大きなものの上に存在している」 ― 地球を覆う巨大なプラズマ・チューブ構造が証明される

 オーストラリアで巨大かつ目に見えない移動性のプラズマチューブが地球の上空を覆っていることが発見された。当初、天体物理学者らの間では懐疑的な見方が強かったが、シドニー大学天体物理学の学生クレオ・ロイさん(23歳)が、実際にその存在を証明することに成功したのだ。60年以上もの間、その存在をとらえることができなかった現象は、一体どのようにして発見されたのだろうか――。

■我々は何か大きなものの上に存在している…

発見者「我々は何か大きなものの上に存在している」 ― 地球を覆う巨大なプラズマ・チューブ構造が証明されるの画像1クレオ・ロイさん 画像は「YoyTube」より

News.com.au(6月4日付)」によると、ロイさん(23歳)が発見したのは、高度約600kmの上部電離層からさらにその上のプラズマ圏に向かって伸びる「チューブ状のプラズマ構造」。約60年もの間、議論の対象だった構造が、今回の発見により初めて視覚的に立証された。

 ロイさんが観測に使用したのは宇宙の磁場などを80~300MHzの間で観測する低周波電波望遠鏡マーチソン広視野アレイ(MWA:Murchison Widefield Array)という最新鋭の電波望遠鏡である。この望遠鏡は9平方km(3km×3km)という広大な砂漠に設置した128個のアンテナタイルが受信した信号を東西に分離することで、南半球全天を3Dで立体視することができるもの。これにより、地球がチューブ状のプラズマ構造で覆われていることがわかったのだ。

 ロイさんは発見した時の様子を「高密度プラズマが低密度プラズマと交互に縞模様で現れ、まるでオーロラのようにゆっくりと漂流しながら地球の磁力線上に美しく整列していた」と語っており、「我々は何か大きなものの上に存在しているということに改めて気づいた」とも語っているという。

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