犯人「圧倒的な性衝動あった」 テディベア強姦事件!! ― 愛されすぎるテディベアの謎

 いわゆる「覚醒剤」の代表格ともいえるアンフェタミンは、かつて戦争中には兵士の強壮剤として用いられたり、スポーツでの世界ではドーピングであるとみなされて禁止薬物になるほどの効果をもつ、身体的、知的能力が一時的に向上する“アッパー系”の薬物である。

 アンフェタミンを含む覚醒剤は中枢神経を興奮させる作用があり、高揚感と共に性的欲望も抱きやすくなるものの、男性の場合は効果が強く作用している間は勃起不全になるといわれている。今回のような衝動的性行為に及ぶことはあるものの、全体的な傾向として、薬物依存者の肉体的性欲は減退しているというのが通説だ。したがってアンフェタミンが効いている状態で性交し、射精にまで至ることは相当の難事業(!?)であると考えられる。この時の容疑者は、それを易々と成し遂げるほどの凄まじい性衝動に襲われていたということになるのだろうか。

 見方を転じて、薬物以外の原因を考えると挙げられてくるのが「人形偏愛症」であろうか。人形偏愛症は「ピグマリオンコンプレックス」とも呼ばれ、ギリシャ神話に登場する女性不信で彫像をこよなく愛したキプロス王・ピグマリオンのように、現実の女性に興味を示さず人形に理想像を投影して溺愛する症状である。

 テディベアを“偏愛”する異常な出来事は2年前にも起こっている。2012年6月、米オハイオ州シンシナティの路上で衆人環視の中、テディベアと“セックス”していた当時28歳の男が逮捕されている。実はこの男、テディベアとの「公開セックス」の常習者らしく、この時の逮捕で4度目ということだ。一部の人間の性愛の対象として、既にテディベアは多くの愛を注がれている人気のぬいぐるみのようである。

 今回の奇妙な“レイプ事件”は果たして薬物によるものなのか、人形偏愛症なのか、普段は何気なく目にしているぬいぐるみを見る目が、少しばかり変わってしまうニュースかもしれない。
(文=仲田しんじ)

参考:「Mirror」ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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