【死刑囚の実像】シリーズ

【死刑囚の実像】被害者遺族からも愛される、不思議な殺人者 ― 宮崎家族3人殺害事件

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■被害者遺族のほうが「謝りたい」

shikeisyu0428-5.jpg現場となった奥本死刑囚の自宅は事件後取り壊された

 きっかけは、些細なことだった。長男の初節句を福岡と宮崎のどちらでやるかをめぐり、義母が実家の両親と対立。感情が高ぶった義母は、奥本の頭を何度も殴りつけてきた。

「部落に帰れ。これだから部落の人間は」「離婚したければ離婚しなさい。慰謝料ガッツリ取ってやる」

 殴られながらそう罵倒され、奥本はとうとう緊張の糸が切れてしまう。そして当初は自殺も考えたが、最終的に下した決断は家族3人を全員殺害することだった。なぜそれが解決になると思えたのかは奥本自身もよくわからない。心理鑑定によると、当時の奥本は精神的に疲弊し、視野狭窄、意識狭窄の状態に追い込まれていたという。そして、“あの時”を迎えた――。

「心理鑑定の鑑定書は読みましたが、鑑定書の通りだと思いました。自分は元々視野などが狭かったと思いますが、“あの時”はいつも以上に視野狭窄になっていたと思います。すべての原因は自分にありました」

 面会の際、奥本はそう振り返ったが、この事件の原因が奥本だけにあるとは思えなかった人物が被害者遺族の中にいた。奥本の妻の弟であるYだ。Yは母(奥本の義母)の性格や日頃の言動を当然よく知っている。上告審段階になって奥本と面会し、最高裁に「裁判のやり直し」を求める上申書を提出したYは、その中でこう書いていた。

〈母のほうが悪かった部分については、自分のほうから被告奥本に謝りたいという思いもあったくらいです〉

 しかし、奥本の上告を棄却した最高裁のわずか3枚の判決文では、このYの上申書の存在に何一つ触れられていなかった。


■「最後までしぶとく生きる」

shikeisyu0428-3.jpg奥本死刑囚が筆者にくれた現時点で最後の手紙


 実際に会ってみると、奥本はいかにも田舎の朴訥な青年という雰囲気の人物だった。獄中では、被害者たちの供養のため、写経や読経を日課に。また、被害者遺族への弁償資金をつくるため、支援者らの協力を得てポストカードを製作しており、そのための絵を毎日描いているとのことだった。

「絵は、被害者3人のことを思いながら描いています。とくに妻と息子のことを想って、心の琴線に触れたものを2人に重ねながら描いています」

 そう語っていた奥本は最高裁に上告を棄却された直後には、「この結果(死刑)を潔く受け入れて死のう」とも思ったが、最終的には再審の請求や恩赦の出願をし、「生き続けること」に決めたという。死刑確定後、面会や手紙のやりとりはできなくなったが、最後にくれた手紙には、その真意がこう綴られていた。

shikeisyu0428-4.jpg画像は、遺族への弁償のために奥本死刑囚の絵で製作されたポストカード

〈私が今、考えていること(再審や恩赦)はまったく潔くありませんが、間違っていないと思っています。私は、被害者3人の命をある日突然奪ったのですから、私が死ぬ心の準備をするのはおかしいです。私も死ぬ時は、死ぬつもりがまったくない状態で死ぬべきです。最後までしぶとく生きるつもりです〉

 奥本はこれからどんな人生を歩むのか。その近況は「奥本章寛さんと被害者家族を支える会」のホームページで適時報告されている。
(取材・文・写真=片岡健/【死刑囚の実像】シリーズまとめ読みはコチラから)

奥本章寛さんと被害者家族を支える会

shikeisyu0428-6.jpg昨年8月に支援者らが中津市で開いたシンポジウムは200人を超す参加があった

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コメント

9:匿名 2017年6月13日 11:03 | 返信

ただ単に好きな死刑囚を書いて金をもらいたいだけの記事。
一部を全体の意見として書いてて不快にさせるのが目的。

8:匿名 2016年11月25日 20:44 | 返信

何を考えたかは察するが、全て言い訳。
強力に罵倒する技術は人として生きたいなら大人になるまでに身につけることだ。

部落と言われた瞬間、罵倒して、逃げれば済むことだったのだが、殺人事件にしてしまったのは仕方ないのだ。

さらにいえば、自殺なり自首なりすれば良かったのだ。第一発見者を装ったこいつは、恐らく、松永太より優れたサイコパスなのだよ。

7:匿名 2016年11月8日 02:18 | 返信

この様な記事が心に響いて来ないのは、死刑囚がなぜ死刑を嫌がるかを
正直に言わずにボカして、支援者に頼り切りになるからだと思う。

6:n 2016年5月26日 14:49 | 返信

やっぱり、肝心な事を聞いてないな・・・義母を殺した直後
すっきりしたのか?ここが聞きたい。

5:匿名 2016年4月24日 22:47 | 返信

だからって人を殺していいわけがない
加害者が可哀想みたいに書くのは良くない

4:匿名 2016年2月19日 09:12 | 返信

何が三審制だ。本当に最高裁はクソだよな。

3:匿名 2016年2月11日 06:23 | 返信

息子殺したのがあかんかったなあ
母親だけだったら死刑にはならんかったむしろ懲役刑でシャバに出れた

2:匿名 2015年12月22日 16:01 | 返信

本当に殺したくなる時は、あります。その時、その場から逃げる勇気が出るか、出ないかだと思います。

1:匿名 2015年12月4日 04:03 | 返信

世間は奥本章寛という善良な国民を全く見当違いの罪状で罰しようとしている我が国の司法制度に疑問を呈するべきだ。ガキ一匹と蛆虫二匹を処分したくらいで騒ぐなよカスども

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