“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、うえまつそうの新連載「島流し奇譚」。この連載では現役教師ならではの他にはない実話怪談を紹介する。第12回目となる今回は、「ピエロ」にまつわる恐怖体験。
北関東のとある小学校で働く坂本先生から聞かせていただいたお話。
坂本先生は現在、田舎の古い小学校で5年生の担任をしているそうだ。のどかな環境であり、とても平和な学校生活を送っていたのだが、今年に入ってから妙なことが起き始めたという。
ある日の放課後、坂本先生のクラスの学級委員長のA子さんが、他の生徒が誰もいなくなり、薄暗くなってきた教室の整理整頓をしていた。
ひと通り終わって「さぁ帰ろうかな」とカーテンを閉めようと窓際に行ったとき、そこから見える校庭を誰かがトットットッとグルグル走り回っているのが見えた。目を凝らして見ると、派手な服を着ておかしなとんがり帽子を被ったその姿はどう見てもピエロだったという。
「え?ピエロ?」よく見るとそのピエロ、左腕に包帯を巻いて三角巾で腕を吊りケタケタケタケタケタと笑いながら走っている。
その光景があまりに異様でA子さん本当は怖かったのだが「気にしないフリしないといけない」と直感し、早く帰ろうと薄暗くなった廊下を早足で玄関へと向かった。すると、目の前から6年生の同じく学級委員長のBくんが血相を変えてこっちに向かってくる。
「A子聞いてくれよ。い、いま校庭にピエロがいて…」
「先輩私も見ました!腕をこう包帯巻いて」
「え?違う違うオレが見たのは松葉杖をついて両脚にギプスしたピエロだった!」
その日の晩、A子さんは自宅の階段からうっかり転げ落ちて左腕の骨を折ってしまったそうだ。
すぐに病院へ行き処置をしてもらったA子さんだったが、自分の怪我よりもやはり6年生のBくんのことが気になり、翌日、滅多に行かない6年教室へ行き仲のいい先輩に聞いてみると…
Bくんはあのピエロを見た夜、塾の帰りに自転車に乗っていたところ、車が急に飛び出してきてドン!正面衝突。両脚複雑骨折で入院中だと聞かされゾッとしたという。
そう、ピエロの見た目と目撃者の怪我をする箇所が一致しているのだ。
坂本先生はそんな話をしてくださりながら声を震わせながら最後に電話越しにこう言った。
「でもね、うえまつ先生…僕つい数日前に見たんですよ。ピエロ。ピエロが校庭にいるのを。たしかにピエロだったんですでも走ってもいなく、包帯も巻いていない…血だらけで倒れて動かないピエロだったんですよ…」
坂本先生は、まだ…まだ生存確認の連絡は取れている。
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