英断か暴挙か? アノニマスがKKKに宣戦布告、メンバー1,000人の個人情報を暴露!
■いわれのない元婦人警官がKKKメンバーと名指しされる
だが、喜ばしいことばかりではないようだ。11月5日の予告より数日前に、偽のデータがネットに出回ったのだ。このリストには、複数のアメリカ政府関係者がKKKメンバーとして名指しされたが、アノニマスは直ちにこれを否定、「11月5日に発表するリストについてのみ信憑性を保証する」と言明した。データの漏えいはアノニマスに触発された自警団ハッカーたちによるものとも、アノニマスのメンバーがフライングしたとも言われているが、いずれにしてもアノニマスにとっては、出鼻をくじかれたに違いない。なぜならば、「KKKの支持者リスト公表は、アノニマスにとって『名誉挽回』を意味する」からだと、BBCの取材に対し、アノニマス専門家であるガブリエラ・コールマンさんは語る。アノニマスは、一部メンバーの問題行動や不正確な情報の流出などで批判を受けていた過去がある。
また、今回の偽データでトラブルに巻き込まれた一人にパトリシア・エイケンさんがいる。「BBC Trending」によれば、彼女はニュージャージー州警察連合の法的権利擁護者をしているが、どういうわけかKKKのメンバーだったと公表されたのだ。
「昔の同僚が嫌がらせのために、私の名前をKKKのメーリングリストに登録したのでは」とパトシリアさんは推測する。「私は人間が好きなんです、だから人を助ける仕事をしてるんですよ。私は小さな町の警察で最初の女性警官だったから、集団から冷遇される痛みはよくわかってるつもり。それに私の親友は、警察署内で初めての黒人警察官だったの。だから(今回の「リスト公表」のせいで)ブラックコミュニティが今、どんな気持ちでいるか考えると本当につらいわ」と、アノニマスのリスト公表による二次的被害を訴えている。
何が恐ろしいと言えば、社会正義の名の下に、自らを神と見紛う人びとの台頭だ。大義があるとはいえ、プロのハッカー集団がネット上では弱者となるKKKの個人情報を公表して一人勝ちするのは許されることなのかどうか、もうしばらく静観してみないとわからないだろう。だが、彼らが振りかざす「正義」に、危機感を募らせている一般市民も少なくないはずだ。
(文=佐藤Kay)
参考:「Huffington Post」、「BBC Trending」、「RUPTLY」ほか
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