【閲覧注意】インドネシアの密漁船全滅作戦が激ヤバ! 日本も見習うべき?
インドネシア海軍の武装巡視船が2隻の漁船と対峙しているところからこの動画は始まる。巡視船は警告のようなものを何度か拡声器でアナウンスするものの、漁船は動く気配を見せない。
……と、次の瞬間、巡視船から続けざまに発射された対艦ミサイルが2隻の漁船を直撃し、轟音と共に大爆発を起こし船体は木っ端微塵に! 一瞬にして海の藻屑となった漁船を収めた衝撃の映象が、密漁に対するインドネシアの断固とした態度を物語っている。
■密漁船の取り締まりに海軍が出動
動画では、漁船の爆破の模様をスマホなどで撮影している人々が何人か写っていることから、じゅうぶんに安全を確認したうえで計画的に漁船を攻撃しているものと思われる。確認されてはいないが、乗組員たちは別の場所に身柄を移され、漁船は無人の状態であったと考えられている。ズームで撮影された動画がやや不鮮明であるため、あらかじめ船に仕掛けた爆弾を爆発させたように見えなくもないが、英「Mirror」紙によれば、この爆破は対艦ミサイル攻撃によるものであるという。
日本では領海の警備は海上保安庁の巡視船が行っているが、インドネシアでは海軍が海域警護の任務を担っており、北スラウェシ、タラカン、北カリマンタン、ベラワン、北スマトラ、ラナイ、リアウの各海域を定期的に巡回している。インドネシア海軍は武装した艦船を用いて不法操業の漁船を取り締まる権限を政府から与えられているのだ。多くの国では密漁船の取り締まりなどは沿岸警備隊が行なっているが、そこへ海軍が出てきたのだから事は穏やかではない。しかしそうまでして不審船の取り締まりを強化することをインドネシア政府は決断したということだ。
「我々は大統領の指示通りに、密漁に対して断固とした対応を今後も続けていきます」とM・ザイヌディン海軍一等大将は話している。漁船を爆破させたこの巡視船は、インドネシア海軍に配備されているクルリット級高速戦闘艇であるとみられ、機銃に加えて対艦ミサイルを装備しているようである。
領海に侵入して違法操業を行う漁船は主にフィリピン、マレーシア、ベトナムから来ており、中国船籍の漁船も時折確認されている。同じように主に中国の漁船による密漁をはじめとする不法行為に悩まされている日本にとっても、このインドネシアの政策は参考にすべきものがあるのかもしれない。
■1日に領海に現れる5400隻もの外国船の9割は不法侵入
東南アジア南部に位置し、赤道をまたいだ1万3466もの大小の島々により国土が構成されているインドネシアは豊富な海洋資源を誇る国でもある。そのため、領海に不法侵入した漁船による密漁がこれまで絶えることがなかった。インドネシア当局の試算によれば、毎年140億ポンド(約2兆4000億円)に相当する海洋資源が密漁によって奪われているということだ。
そこでインドネシア政府は、2014年の10月から密漁に対する厳格な取り締まりに乗り出す。ジョコ・ウィドド大統領が率先して対策を練り“密漁を一切許さない”というゼロ・トレランス政策がスタートしたのだ。
新たな密漁船対策の実施直後から次々と不審船が取り締まられ、2014年12月には海軍の航空機によってパプアニューギニア船籍の2隻の密漁船が爆撃され炎上、沈没。その模様を収めたショッキングな写真が公開されて海外メディアの注目を集めた。また2015年5月には、カリマンタン島西沖で違反が確定した外国漁船41隻の公開爆破が行われたが、そのうち1隻は中国漁船であったことが大きな話題を呼んだ。そして同年8月にもまた34隻の不法操業船が破壊されて海に沈められている。
ジョコ・ウィドド大統領によれば、インドネシア領海には1日に5400隻もの外国船が航行しており、なんとそのうちの9割は不法侵入の船であるという。捕らえた不法操業船を集めて大々的に爆破して見せることが今や定期イベントになっていそうだが、大統領に言わせればこれは「ショック療法」だということだ。
密漁船に対し一切妥協を許さないインドネシアで、はたして今後密漁が劇的に減ることになるのだろうか。同じく海に囲まれた島国である日本は特に事の推移を注視する必要がありそうだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「Mirror」、「Daily Mail」ほか
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