「ダボス会議」で世界のトップリーダーたちが懺悔 「AIの成長が早すぎて超ヤバい。認識が甘かった」

■「AIの限界がどこにあるのかまったくわからない」

 ダボス会議でセルゲイ・ブリンは、Google社シニアフェローのジェフ・ディーンと最近交わした話の内容に触れたという。かつてディーンからAIが猫の絵を描くことができるまでに“成長”したことを伝えられたというが、このような、ある意味で微笑ましいAIの成長ぶりから一転、この数年で時間を早送りしたかのようにAIが劇的に進化しており、もはやGoogleのすべてのプロジェクトにAIが関わってくるのは時間の問題であるという。

「AI(deep nets、多層神経回路網)が見せる進化はきわめて深遠で本当に驚かされる出来事だ。驚異の時代の真っただ中に今我々はいる。(社会と暮らしに)AIがどこまで進出してくるのか? その限界がどこにあるのか我々にはまったくわからない」(セルゲイ・ブリン)

 ブリンはAIがさまざま形で将来の世界を救う可能性を秘めていることを認めているが、世界にどれほどのインパクトをもたらすのか“予測不可能”であるとお手上げの状態であることを率直に吐露している。これは夢が広がる話なのか、それとも人工知能に人類が支配される“悪夢”が近づくということなのか?

 ご存知のようにAIの進化についてはネガティブな見解も多い。ホーキング博士やイーロン・マスクなどがAIの進化を危険視していることも知られている。ビル・ゲイツもまた昨年の講演会で著しく進化を遂げるAIがきわめて危険であると警鐘を鳴らしている。

 今現在でも進化の真っ最中である人工知能が今後どのように社会と生活を変えていくのか、ITの第一人者にさえまったく予想がつかないというはやはり不気味な予感がするだろう。2016年は「AlphaGO」で世界をアッと驚かせた人工知能だが、今年はいったいどんな驚きと衝撃をもたらそうとしているのか。今後、目を離すわけにはいかない。
(文=仲田しんじ)


参考:「Express」、ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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