640万年前に誕生した絶海の孤島「ボールズ・ピラミッド」がヤバイ! 絶滅したはずのキモ生物も生存!
絶海の孤島と呼ばれる島は世界中で無数に存在するが、オーストラリアの「ボールズ・ピラミッド」ほど絶海の孤島感溢れる島は存在しないだろう。その姿はもはや島というより巨大な岩、絶海にそびえ立つ巨大な楯とでも言った方が良さそうな風貌である。
■絶海の超絶孤島とキモすぎる生物
「ボールズ・ピラミッド」は、オーストラリア東岸沖、ロード・ハウ島の南東20kmに位置する、640万年前に形成された楯状火山(shield volcano)で、海抜562mもの高さを誇っている。水平面は僅か1100m×300mほどしかなく、世界一高い火山岩の海食柱(海によって浸食された岩盤)として知られている。
1788年にヘンリー・リッジバード・ボール大尉が発見したことから「ボール大尉のピラミッド」という意味で「ボールズ・ピラミッド」と名付けられた。1800年代には、地質学者のヘンリー・ウィルキンソンが足を踏み入れたといわれるが、あまりの絶壁のため、1965年まで登頂に成功した者は誰もいなかったそうだ。
過酷な環境から、もちろん現在に至るまで居住者ゼロの無人島であるが、不毛なこの島にも固有の珍しい昆虫が存在する。しかも、見た目がかなりキモイ。
英語で「Tree Lobster(木のロブスター)」と呼ばれるこの虫は、和名を「ロードハウナナフシ」といい、木の枝に擬態することで知られるナナフシの一種である。我々が知るナナフシより随分と黒い上に太くたくましいが、厳つい相貌に似合わず、つい最近まで絶滅したと信じられてきた。
現在、天然のロードハウナナフシは、ボールズ・ピラミッドにしか存在しないそうだが、その名にある通り、元々は近隣のロード・ハウ島に生息していた。それが、1920年を最後に見られなくなったという。しかし、1960年代から登山家がボールズ・ピラミッドに足を踏み入れるようになると、ロードハウナナフシの死体が頻繁に目撃されるようになり、生き残りが存在するのではないかと噂されるようになったそうだ。
そして2001年、昆虫学者らがボールズ・ピラミッドの生物調査を実施したところ、海抜100メートルの地点で24匹のロードハウナナフシの群れを発見、生体のつがい2組をオーストリア本土に持ち帰った。その後、メルボルン動物園で繁殖に成功し、いずれは、ロード・ハウ島に還されるとのことだ。ちなみに、どのようにしてハネが退化したロードハウナナフシが海を渡ってボールズ・ピラミッドに到達できたかは謎だという。
なかなかインパクトのある面構えをしているが、孵化の様子も一層おどろおどろしい。まるで卵から這い出るエイリアンのようだ。
現在、ボールズ・ピラミッドは、「ロード・ハウ島群」としてユネスコ世界遺産に指定されており、上陸にはサウス・ウェールズ州の担当大臣への申請が必須だという。ロードハウナナフシたちの唯一の拠り所は今後も手厚く保護されていくようだ。
(編集部)
参考:「Wikipedia」、「Disclose.tv」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊640万年前に誕生した絶海の孤島「ボールズ・ピラミッド」がヤバイ! 絶滅したはずのキモ生物も生存!のページです。オーストラリア、海、昆虫、ボールズ・ピラミッド、ロードハウナナフシ、ロード・ハウ島、孤島、島などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで