視界から突然モノが消える錯視が超ヤバい!! 脳が勝手に“フェイク情報”を作り出す決定的瞬間を体験せよ!
視界にあるものが突然消失する。そんな信じられない経験が簡単にできるテストがある。まずは下の図を見てみて欲しい。
■突然モノが消える錯視テスト
英紙「Daily Mail」(5月30日付)が、白地に十字と●が描かれた簡単な錯視テストを紹介している。この図をある方法に従って眺めるだけで、●が完全に視界から消えてしまうというのだ。下記のインストラクションに従って試してみて欲しい。
1、左目を閉じ、右目で図の十字を見る
2、そのまま十字から目を離さず、頭をスクリーンから前後に動かす
3、図の●が消失する
如何だろうか? ちなみに、右目を閉じ、左目で●を見る場合でも十字が消失する。そこにあるはずのものが無くなってしまうのだ。これは人間なら誰しもが持つ視覚上の穴「ブラインド・スポット(盲点)」をついた錯視テストだ。
人間や動物は自分の周りの環境を一貫して理解するために、五感が受け取った情報の欠片を結びつけ、統一する。だが、この統一は決して完璧ではない。脳が無理やり作り上げた虚構が必ず含まれることになる。普通に考えれば、盲点に入った情報は見えていないのだから、視界の中にぽっかりと何もない空間が広がってしまいそうなものだが、実際は脳が勝手に穴を埋めてしまう。
今回、ドイツ・オスナブリュック大学の研究チームが開発したテストも「脳が視覚情報に与えるバイアス」を暴くためのものだ。シャッターグラスという特殊なメガネが使用される点や2つの縞模様を用いる点を除けば、さきほどのテストとさほど変わらない。
■脳が作り出したフィクションを好む傾向
シャッターグラスを装着した被験者に2つの縞模様が見せられる。中央が丸くぼやけた左の縞模様は“偽物”であるが、これは被験者のブラインド・スポットに入り込んでいるため、彼らには右の“本物”の縞模様と同じように見えてしまっている。そして、2つのうち、どちらが本物の縞模様であるか当てる、というテストだ。
研究チームのペーター・ケーニヒ教授は、被験者の選択はどちらにも偏らないか、“本物の縞模様”に偏るとみていたが、結果は正反対。多くの被験者が、 “偽者の縞模様”を選んだという。つまり、脳が作り上げた虚偽の情報の方が、本物の情報よりも優先される傾向にあるということだ。
「脳は周辺情報を頼りにして、足りない情報の穴を埋めることで、結果的に実物と目立った違いのない映像を作り上げます。脳の再構成能力は非常に正確ですが、同時に信頼できないものでもあります。なぜなら、本当の情報は決して脳に届いていないのですから」(ケーニヒ教授)
「知覚は世界の本当の姿を与えるものではありません。すでに持っている情報によって汚染されているのです」(同)
我々が“事実”として疑わない多くの事柄が、脳が作り出したフィクションかもしれないとは、驚きを通り越して、恐怖すら覚える事態ではないだろうか。不思議で面白い錯視テストの奥には、悲しいほどの人間の不完全さが隠されていたようだ。
参考:「eLife」、「Daily Mail」、「Science Daily」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊視界から突然モノが消える錯視が超ヤバい!! 脳が勝手に“フェイク情報”を作り出す決定的瞬間を体験せよ!のページです。目、錯視、脳、トリック、視覚、情報、盲点などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで