ロシア軍全面協力の“宇宙人・UFO襲来”映画『アトラクション 制圧』の設定がリアル過ぎ!「もはや現実のロシア」露軍事ジャーナリスト小泉悠氏も唸る!(独占インタビュー)

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■もしも今、宇宙船が墜落したら……? 浮かび上がる「現実世界の危うさ」

russia0803-1.jpg©Art Pictures Studio

――もしも今、本当に宇宙船がロシアに墜落したらどうなるのでしょうか?

小泉 本来、地球外文明とその接触は全人類的な合意の上で行うべきですが、本作では突如襲来した宇宙人を勝手に撃墜し、ロシア政府は外国の介入を断固拒否しています。

 仮に今、ロシアの街に宇宙船が墜落したとすると、米国との関係が悪化しているロシアが実際にこのような態度を取る可能性は考えられます。しかし、そこでファーストコンタクトに失敗すると……言わずもがな、全人類的な惨禍に発展しかねません。当然、その惨禍は日本にも及ぶでしょう。これを、「危機が発生した場合の危機管理コミュニケーション」と読み替えると、現在の世界の危うさを描いているとも言えるのではないでしょうか。


■「シン・ゴジラ」との比較で見える「日本人らしさ」「ロシア人らしさ」

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小泉  例えば「シン・ゴジラ」では、日本人はあくまでも「日本」という枠組みで危機に当たります。一方本作では、ロシア人はまず自分で何とかしてみようとし、個々の意思・決意の中で悲喜劇を生んでいます。こういった国民性の違いは、日本において「新鮮さ」として映り、本作の大きな魅力と言えると思います。

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 一方で、謹厳実直だがそれゆえにうまく娘を愛せない父親と、それを憎む娘との葛藤といった、国を超えた人間の心の移り変わりも繊細に描かれ、心に迫るものがありました。この点では、「理解を超えた描写」と「深く理解できる描写」が入り混じり、日本人が観てこそ面白い作品かもしれません。

――ありがとうございました。

 単なる「もしもの話」では収まらない程の「リアル」をもって描かれた本作。プロも唸り、そして「不気味」とさえ言わせたほどの世界観が、ついに今月、日本公開!お見逃し無く!

■露西亜軍事ジャーナリスト 小泉悠(こいずみゆう)
未来工学研究所特別員1982 年、千葉県生まれ。早稲田大学 大学院修士課程了後、民間企業勤務外省国際上統括官組織専門分析員ロシア科カデミー世界経済国際関係研究所客員などをて現職。専門はロシアの軍事・安全保障政策、宇宙危機管理など。主著に 『軍事大国ロシア』(作品社)及び 『プーチンの国家戦略』(東京堂出版)、鼎談をまとめた 『大国の暴走』(講談社)などがある。

アトラクション制圧』(原題:Attraction)
監督:フョードル・ボンダルチューク(『スターリングラード』) 出演:イリーナ・ストラシェンバウム、アレクサンドル・ペトロフカラー/117分/シネマスコープ/ドルビーデジタル/2017年/ロシア原題:Притяжение©Art Pictures Studio 配給:プレシディオ宣伝:ウフル

HP・http://www.attraction-movie.com/

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