なぜ人は辛くても生きるべきなのか? ホーキング博士が“ウツ病をブラックホール”にたとえた奇跡のメッセージが心に響きすぎる!
理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士は、地球上で最も素晴らしい知性の1人といって差し支えないだろう。そして、彼の業績のほとんどが車椅子の上で、しゃべることもできない状態で成し遂げられたことを考えれば驚嘆という他ない。今回は、そんなホーキング博士が人生・仕事・愛・障がい・鬱病について語った感動のメッセージをご紹介したい。
■ホーキング、人生を語る
「足元ばかり見てないで、夜空の星を見上げることを忘れないで下さい。自分の仕事を諦めてはいけません。仕事はあなたに意味と目的を与えてくれます。そして人生は仕事がなくては空虚なのです。もし、あなたが幸運に恵まれ、愛する人に出会ったならば、愛はそこにあることを忘れないで、決してそれを投げ捨てないで下さい」(ホーキング博士)
スティーヴン・ホーキング博士は、1942年の1月8日、イギリスのオックスフォードで誕生した。この時、彼が歴史に名を残す物理学者になるとは誰も思わなかったことだろう。そして、21歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、その後の人生を車椅子の上で過ごすことになることも。
「あなたが障がい者でも、それはあなたの責任ではありません。しかし、だからといって、世界を呪ったり、人々があなたに情けをかけてくれることを期待してはいけません。ポジティブな態度で、自分が今いる状況を最大限生かすしかないのです。あなたが身体障がい者であるなら、精神まで患う余裕はないのです」(同)
当時、ホーキング博士を診察した医者は、彼が24歳までしか生きられないと診断した。しかし、ご存知の通り、ホーキング博士は現在まで生き延び、74歳を迎えている。それだけではない。彼は今も研究を続け、理論を構築し、数々の書物をしたためているのだ。
「身体障がい者は、自身の身体的な障がいが問題とならない活動に集中すべきです。……科学は身体障がい者に最適の活動です。なぜなら、科学的活動はほとんどが頭の中で起こるわけですから。もちろん、実験はできませんが、理論的仕事は私たちにとって理想的です。ある種の講義や事務仕事はしないよう助けてもらっていますが、理論物理学の分野では、私の障がいはハンディキャップになりません。とはいえ、私がなんとかやっていけているのは、妻、子ども、同僚、学生からの数え切れないほどのサポートのおかげです」(同)
1月、ロンドン王立研究所のレクチャーで、ホーキング博士はブラックホールを鬱病と並べて語っている。どちらも出口のないものだと思われているからだ。
「このレクチャーのメッセージはこうです。ブラックホールはそう見えるほど黒くはないということです。ブラックホールは皆さんが思うような永遠の刑務所ではありません。ブラックホールに飲み込まれた物は、ブラックホールの外、あるいは別の宇宙へと抜け出すことができるのです。ですから、もし皆さんがブラックホールに落ちたような気分になったとしても、決して諦めないで下さい。出口は必ずあるのです……確かに、苦痛を感じている人は、そう望むならば、自分の人生を終わらせる権利を持つべきかもしれません。しかし、私はそれは大きな間違いだと思うのです。どんなに苦しい人生であろうとも、あなたにはやれることがあり、成功することだってできるのです。命あるところに、希望はあるのです」(同)
初めてALSと診断された時、ホーキング博士は、もう自分の人生に何も期待できないと思ったという。だが、同時にALSを患ったことで、あらゆる喜ばしい瞬間や目的を達成する瞬間が、より実り豊かなものになったとも述懐している。現在、ホーキング博士は12の名誉学位を持ち、宇宙論、ビッグバン理論、人生そのものに関するいくつもの偉大な功績を残している。そして、その多くが車椅子の上で、しゃべることもできない状態で成し遂げられたのだ。それは、ホーキング博士が語るように、決して諦めなかったからできたことだろう。どんな最悪の状況でも必ず出口はある。そうホーキング博士は身をもって教えてくれているのだ。
参考:「EWAO」、ほか
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