猫の体に猫の顔を生やすなど奇抜でぶっ飛んだ作品を発表している米国人アーティスト、マーゴット・バード氏にインタビューを行った。
●マーゴット・バード(米アイオワ州生まれ)ニューヨーク州ブルックリン在住。2006年にウィスコンシン大学マディソン校で芸術学の学士号を取得。2018年秋、ニューヨークの画廊「Sargent’s Daughters」で初の個展を開催。今夏は「Sidel & McElwreath」で2度目の個展を開催した。子猫をおかしな、奇妙な予期せぬ状況に配置することで、インターネットのミームが1つのイメージを何度も繰り返し異なる方法で再生する方法を模倣し、ユーモラスな作品を制作している。(margot-bird.comより)
――なぜ猫にこだわっているんですか?
マーゴット:笑うことは気持ちが良いので、笑える絵を描こうと決めています。最近は子猫の頭を物にくっ付けるのが楽しいです。ただ、それだけにこだわっているわけではありません。
――2010年頃の作品は大量の人間の目玉が描かれているなど、今より不気味な雰囲気のものが多かったと思いますが、なにか変化があったのでしょうか?
マーゴット:おっしゃる通りです。より柔らかい作品になっています。以前は作品を通して人々の魂に激しさを伝えたいと思っていたのですが、今は鑑賞者から柔らかさ、柔らかい笑顔や笑いを引き出したいと思うようになりました。自分のユーモアに自信もついてきましたので、それを他の人と共有することに興味を持つようになりました。
――猫には不思議なエネルギーがあると思いますか? 幽霊が見えているという話も…
マーゴット:猫が4次元を見ることができると言われても驚きません。猫はよく分かっています。しかし、そのことを見せびらかさない個体もいます。彼らのこうした用心深い性格が、ミステリアスな雰囲気を醸し出していると考えています。
――日本には猫を神様とあがめる神社があり、エジプトにも猫の神がいます。猫の神秘性についてどう思いますか?
マーゴット:猫が崇拝されている理由はよく分かります。猫は美しく、機敏で、よく考えています。人間は猫から教訓を得ることもできるでしょう。何かに飛びつく前にそのものを調べることで、失敗しないでしょうし、ゴロゴロと喉を鳴らして喜びを表すのも良いですね。私が猫のように喉を鳴らせたら、絵を描いている間ずっとゴロゴロ言っているとおもいます。