UFOの典型をつくった男ジョージ・アダムスキー ~元祖コンタクティーの真実~
■アダムスキー型UFOの正体
ただし、このアダムスキーのUFOが実際は何をベースに作成されたかという点について、37年に製造された缶型の真空掃除機の頭部・劇場用ランプ・孵卵器・たばこ入れ、など諸説入り乱れているが、いずれも実物が確認されているわけではない。75年には、イギリスのケン・ロジャーズが、「アダムスキー型UFOそっくりのワイン・クーラーを発見した」と発表して話題を呼んだが、実はこのワイン・クーラーそのものが、アダムスキー型UFOに着想を得て作成されたものであったことが判明している。では、果たしてアダムスキーは、何をもとにUFOを作り上げたのだろうか。
アメリカの研究家ジョエル・カーペンター氏が、この問題に答えを与えているようだ。氏の報告では、アダムスキー型UFOのスカートから窓のある円柱部分にかけての形状が、30年代後半から40年代初頭にかけて生産された石油ランプの頭部に酷似していると指摘している。この時代にアメリカで生産された石油ランプを集めたサイト「The Terrence Marsh Lantern Gallery」の写真と型番号を見ると、確かに似たようなランプが数種類あるようだ。
「石油ランプ」説を裏付ける証拠はもう一つある。通常ランプの傘の部分には、持ち手を通すための穴が空いている。そして有名なアダムスキー型UFOにも、同じような場所にスリットらしきものが見られるのだ。アダムスキー、あるいは彼の仲間たちがこの部品を利用し、上部と底部をどこかから流用して模型を作成したことは、ほぼ間違いないだろう。
さて、今回は元祖・コンタクティーであるジョージ・アダムスキーの主張について考察してきたが、世界中で報告されている無数のUFO事件が、これですべて疑わしくなったというわけではない。このように多角的な分析を経た上で、それでも最後に残る謎にこそ、知られざる真実が隠れているのだろう。
羽仁礼(はに・れい)
一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員
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