クリスマス島のアカガニ大移動が圧巻すぎる! 理学博士「人間の伝染病が関係」
――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ
オーストラリア大陸の北西、インド洋に浮かぶ熱帯雨林に覆われた絶海の孤島、オーストラリア連邦領「クリスマス島」――。この島の名物は、固有種の甲殻類「クリスマスアカガニ」の大移動だ。雨季の10~11月になると、このアカガニは森から海へと大移動する。その総数は、なんと数千万匹といわれ、道路も庭も家の中さえもアカガニが埋め尽くすという。
クリスマス島は、1643年のクリスマスにイギリスのロイヤル・メアリ号が同島に到着したことからその名が付けられた。面積136平方キロメートルの小さな島だが、周囲の海底は約5,000mの深さ、つまり海岸から深海が連続している。リン鉱石の採掘と輸出が主要産業で、現在は2,000人ほどが暮らしている。
■研究者の聖地、クリスマス島
「クリスマス島は甲殻類研究者の聖地だ、なんていわれています」
そう話すのは、生物学に詳しい理学博士X氏である。クリスマス島には、ヤシガニやアオガニなども数多く生息しており、まさに陸性甲殻類の天国といえる場所であるそうだ。そして、専門の研究者をして一度は見てみたいと言わしめるのが、このクリスマス島のアカガニ大移動である。
「アカガニは普段は森の中で暮らしており、島の至る所で見ることができるようです。ですが、1年に一度の大移動はまさに圧巻の一言です」
普段は森の土の中や岩陰に潜んでいるアカガニたちだが、雨季になると放卵のために海岸へと移動を開始する。クリスマス島の周囲は、そのほとんどが高さ10~20mの断崖になっており、砂浜のある海岸は少ない。アカガニたちは、その数少ない海岸を目指し、森から海岸までを文字通り埋め尽くすのだ。
■驚異的な大移動の目的は!?
その大移動の様子はテレビなどで毎年のように取り上げられ、世界的にも知られており、シーズンには多くの観光客が訪れる。現地では、アカガニの移動を手助けするために道路の下にカニ用の通路を作り、道路沿いには誘導用のフェンスさえ設置している。さらに地元住民らも、道路に入り込んだアカガニを掃き出すなどして、車に轢かれないように保護している。
現地の人々に見守られながら海岸に移動したアカガニたちは、砂浜の穴の中で交尾し、卵を産む。オスはすぐに森へと戻るが、メスは2週間ほど抱卵した後に海へと移動し、満潮時に合わせて放出する。
すると卵はすぐに孵化し、無数の幼生が波間を漂う。当然、これを狙ってジンベイザメなどの捕食者が集まってくる。そして幼生は、外海を漂いながら脱皮を繰り返す。運良く捕食されずに済んだ幼生は、3~4週間後には5mm程度に成長した稚ガニとなる。
「実は、アカガニの大移動はその後にもう一度あります。浜辺から森へと移動する稚ガニの大移動です」(理学博士X氏)
稚ガニたちは海岸を離れて、親たちのいる森を目指す。小さな稚ガニの大群が移動する光景は、親たちの大移動とはまた違った驚きに満ちている。それは、さながら蠢めく赤絨毯のようだ。無事に森にたどり着いた稚ガニたちは、4~5年後、今度は親ガニとして海を目指す。
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2024.10.02 20:00心霊クリスマス島のアカガニ大移動が圧巻すぎる! 理学博士「人間の伝染病が関係」のページです。吉井いつき、理学博士、大移動、アカガニ、クリスマス島、伝染病などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで